4棟の団地。すべて5階建てでエレベーターはない。棟ごとに3本の階段があり、1つの階段をはさむ10戸が管理組合の最小単位。この10戸から毎年1名を理事として出す。持ち回り制で任期は1年(イラスト/てぶくろ星人) 私が暮らす団地は1981年に竣工しました。父にとっては、勤めていた会社の社宅を出て、初めて手にした自己所有の新築物件です。父は三男。母は次女。どちらも長子でなく、受け継ぐ家を持たなかった親にとって、当時、“最先端”と言われた団地は手の届く幸せのカタチ。団地暮らしが気に入った父母はその後、戸建てに移るチャンスに恵まれてもあえて見送ったほどでした。 ところが、です。 日本社会は高齢化に歯止めがかからず、その一方で団地の老朽化が深刻化。離婚して実家と同じ団地に戻り、向かいの棟に入居すると、その年に管理組合の理事会に出席するように言われました。今思えば、あのころから理事のなり手が足りていなか