「安全性」とは,そもそも「倒産に対する安全性」ということである。「倒産」とは,キャッシュがなくなる現象のことだ。したがって,安全性とは「キャッシュの支払能力」を意味する。 安全性を分析する方法は大きく分けて2つある。ストックに注目して静態的な分析をする方法と,フローに注目して動態的に分析する方法である(図1)。 ストックに注目する静態的な分析方法は,貸借対照表から読み取れる支払原資と支払義務との関係から,支払能力を分析する。この方法は一定の傾向を見るには有益だ。しかし,あくまでも動きのない貸借対照表だけを元に分析する方法なので,簡便的な方法といえる。特に,実際のキャッシュの出入りのタイミングなどの動きまでは見ることができないという限界がある。このため,静態的な指標が良いにもかかわらず,現実には入金より先に多額の出金があるためにキャッシュがショートしてしまうということが起きてしまう。 このよ
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