安心のかたち 日常を一変させた新型ウイルス。その「見えない恐怖」に怯える人が少なくない。しかし、いやむしろだからこそ、ウイルスの姿は毎日のように、「見える」。電子顕微鏡で撮影された拡大写真、CGによる3Dモデル、それらを簡略化したイラスト。見えないはずのそれをあらゆる方法で可視化したイメージが、新聞にテレビにインターネットに、感染をはるかに上回る規模で蔓延する。あの不気味な、突起に覆われた球体のイメージを、もはや誰もが思い描くことができよう。ウイルスだけではない。感染状況の推移を示す種々のグラフやマップ。江戸時代の瓦版に登場したという疫病除けの妖怪アマビエ。「見えない恐怖」を「見える安心」に変えるべく生み出されたイメージたちは、恐怖を可視化せずにはいられない、わたしたちの性をも、あらわにする。 それは古代から通底する人間の性であろう。中国古代の辟邪(=邪悪を辟さける)思想に言及した小林太市
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