ホンダと同社のタイ現地法人は5日、パワーウインドーのスイッチが発火する恐れがあるとして、「フィット」「フィットアリア」の2車種計21万6193台(平成17年10月~20年8月生産)のリコールを国土交通省に届け出た。同様のスイッチを使った車が20カ国以上で約72万台販売されており、同社は各国で同様の措置を取る。 国交省によると、運転席側パワーウインドーのスイッチ内に清掃用品などに含まれるシリコン成分が入り、スイッチ接点部に付着した状態で操作を繰り返すと、摩耗した粉状の金属が熱を持ってハンダ付けした部分が溶け、発火する恐れがあるという。 20年2月から今年7月にかけて、煙が出るなどの不具合が同社に263件寄せられていた。このうちスイッチ付近の部分焼損は7道都県で8件発生。昨年7月には静岡県、11月には奈良県でそれぞれ消火しようとした運転者が指などに軽いやけどを負う事故も起きた。