東日本大震災で日本経済は大きなダメージを受けたが、混乱する政治がその打撃を拡大している。2013年の貿易収支は11兆4745億円の赤字となり、これは史上最大である。経常収支も第二次石油危機以来の赤字となり、今後も赤字基調が続くおそれがある。円安にしようと大胆な金融緩和を進め安倍政権が、エネルギー危機を呼び込んだのだ。 こうなったのは、原油高の時期に原発を止めた菅内閣の責任が大きいが、それを放置したまま「デフレ脱却」で日本経済を回復させようとした安倍内閣の錯誤も重症だった。ここでは震災後3年で世界のエネルギー市場に何が起こり、それが日本経済にどのような打撃を与えたかを考える。 原発停止による損害は年間2.15兆円 日本の国際収支は、図表1のように2011年から貿易・サービス収支が赤字になり、これを所得収支が埋める形になっている。このきっかけは震災による緊急輸入だったので、その影響は一時的なも