日中戦争で中国大陸を転戦した兵士が撮った写真を展示する「平和を願う文京・戦争展」を巡り、開催地の東京・文京区教育委員会が、主催者の後援申請を認めない状態が五年にわたり続いている。展示の中にある写真説明の表現が、政府見解と異なる点などが主な理由という。一方、主催者側に内容を変える意向はなく、議論は平行線をたどっている。(榊原大騎) 写真展は二〇一九年、戦争を加害と被害の両面から見つめ直そうと、日中友好協会文京支部が始めた。区出身の村瀬守保さん(一九〇九~八八年)が戦地で撮影した写真のパネルを展示。兵士の日常から遺体が並ぶ様子まで、さまざまな場面が写されている。 主催者側は、第一回から後援を申請。しかし、一九年七月の教育委員会定例会の議事録によると、「議論が分かれている内容で、中立の立場を取るべき教育委員会が後援することは好ましくない」などとして不承認を決定。翌年以降も同様の理由で承認していな