2010年、ヴァンクーバー・オリンピックでは、女子フィギュア・スケートのフィンランド代表が、ラヤトン(Rajaton)のオリジナル曲「バタフライ」を採用、なんて事態も起きたそう。母国での人気をうかがわせるエピソードだが、ベスト編集盤の『北欧の森の物語』、そしてステージを通じて彼らのの歌声に触れてみて感じるのは、アカペラで歌われるフィンランド語、その響きの多様な美しさ。一方で、男性3名、女性3名から成る6人が、1曲ごとに立ち位置を替えながら歌っていく。ライヴならではのそうした演出も観ていて楽しく、このユニークなグループを生んだ北欧の小さな国が、以前より近しく思えてもくる。メンバーのちょうど半数。エッシ・ヴゥオレラ(ソプラノ)、ハンヌ・レポラ(テノール)、アハティ・パウヌ(バリトン)の3人が、インタビューに答えてくれた。 ――昨夜(11月19日・銀座王子ホール)のステージで歌われた「ワイルドグ