田尻智『新ゲームデザイン』エニックス 1996/01 田尻智さんの『ヨッシーのクッキー』はだいぶ遊んだし『ポケットモンスター』に関してはわざわざ自分が言及するまでもないくらいの作品なので田尻智さん個人には別に何ら嫌悪感はもっていないけど、申し訳ないがこの本の基本主張となっている部分にはちょっとついてゆかれない。 基本主張、と言っても「イントロダクション」の部分とはじめの数十ページぐらいしか基本主張は関係していないので、その他のページについては特にマズいと感じることもなく興味深く読めたのでそんなに批判をしようというわけでもないんだけれども、まあ、何が悪いのか、というと、「イントロダクション」の部分の~ゲームの本質とは何か?~というあたりで (高階秀爾『絵画を見る眼』岩波新書をひきながら) 例えば、ファン・アイク『アルノルフィニ夫妻の肖像』。男女の肖像画の片隅にリンゴやオレンジが置いてあります