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ブックマーク / banraidou3rd.hatenablog.com (42)

  • 「帰ってきたヒトラー」は、とても親しみやすい抱腹絶倒なガス室なので超おススメ! - 万来堂日記3rd(仮)

    「帰ってきたヒトラー」観ましたよ。これはいい映画です。 終映後、客席からこんな声が。 「これ、コメディちゃう。ホラーや……」 まさしくその通り。期待していたよりも笑え、期待していたよりもずっとややこしく、期待していたよりもずっと怖かった。 「帰ってきたヒトラー」多重構造になっています。 まず一つ目はタイムスリップしてきたヒトラーが繰り広げるコメディ。「あのヒトラーがこんなことするなんて!」という、万人ウケする楽しい部分。 これ、楽しいんだが、よく考えると非常に難しいのですよ。 チャップリンの「独裁者」でもいいし現代日のザ・ニュースペーパーでもいいですが、この場合は既存権力へのカウンターとして笑いが機能するでしょう。 ところがね、「帰ってきたヒトラー」では、その笑える言動や行動を繰り広げるのが、ヒトラーに扮したコメディアンではなくてヒトラー人なわけで(もちろん役者がやっているんだけど、「

    「帰ってきたヒトラー」は、とても親しみやすい抱腹絶倒なガス室なので超おススメ! - 万来堂日記3rd(仮)
    hanemimi
    hanemimi 2016/06/29
  • 昭和元禄落語心中、第3話に登場する演目は上方ではどんな具合か、あくまで私の知る範囲で - 万来堂日記3rd(仮)

    「昭和元禄落語心中」第3話見ました。今回は戦中編。1話、2話と比べて落語のシーンは少なめ。これは実際に落語を演じる場や機会が少なくなっている作中と対応させているのでしょう。不承不承足を踏み入れた落語の世界に菊比古さんがどっぷりはまっていく、派手ではないですがとても重要な回ですね。ラストシーンでいよいよトリックスターたるみよ吉さんの登場。「長ぇ夜になりそうだ……」から始まった過去の回想話なのに「続きはまた明晩」で締めてしまったのは、まぁご愛敬で(笑)。 「落語の歴史」の側面が強調された第3話でしたが、「昭和元禄落語心中」は落語が実際にたどったものとは違う歴史を展開していく、歴史ifモノでもあったりします。「はなし塚」含めて、ここまではほぼ正史通り、さてここから先はお楽しみ。 で、白状しますが、演目名がわからないのが3つもありました。疎開先で菊比古さんが1人稽古している話と、終戦後帰京した菊比

    昭和元禄落語心中、第3話に登場する演目は上方ではどんな具合か、あくまで私の知る範囲で - 万来堂日記3rd(仮)
    hanemimi
    hanemimi 2016/01/24
  • 昭和元禄落語心中、第2話に登場する演目は上方ではどんな具合か、あくまで私の知る範囲で - 万来堂日記3rd(仮)

    昭和元禄落語心中第2話、見ましたですよ。初回がスペシャルで長かったせいもあるのでしょうが、なんかあっという間というか、「えっ!? もう終わり!?」みたいな。 やっぱり若き日の八雲師匠たる菊比古さんの初高座のダダ滑りっぷりが見どころでしょうか。第1話では汗一つかかなかった当代八雲師匠が初高座で、まだ一言もしゃべっていないのに座布団の上にぽたりと落とした汗、つまんなそうにしているお客さん、そして実際つまらない高座(いや、演技でそれやっているのがすごいんですが)、自分でもダダ滑りしているのを十分にわかっていて耐えるように腿をぎゅっと力を入れてつかむ様子、焦燥感とシンクロするように演じる声をかき消すみたく鳴り響くBGM、いや、1話もそうでしたけど、やはり丁寧だなあ、と。 その次に自由奔放な高座を演じてみせた初太郎さん(後の助六さん)、まず最初に大きな声をあげて観客の注意を引きつけるなんていう初高座

    昭和元禄落語心中、第2話に登場する演目は上方ではどんな具合か、あくまで私の知る範囲で - 万来堂日記3rd(仮)
    hanemimi
    hanemimi 2016/01/24
  • 昭和元禄落語心中、第1話に登場する演目を上方では誰がやっているかについて、あくまで私の知る範囲で - 万来堂日記3rd(仮)

    昭和元禄落語心中アニメ化で、落語に興味を持ってくれる人が増えればいいなぁと思っているのだけれど、落語心中の舞台は東京。私は現在大阪在住で普段は上方落語を聞いて楽しんでいるわけで。 だもんで、落語心中に登場した演目を、上方では誰が演じているか、私が遭遇した範囲内でも書いておけば、少しでも誰かの案内になるかなぁとか思った次第。 まずは「死神」。明治期の東京の大名人、三遊亭圓朝作の演目なので、いまだに上方に根付いているとは言い難いです。 私が遭遇した範囲内では桂文太さん、桂文我さん、笑福亭竹林さん、桂枝三郎さん、笑福亭たまさんが高座にかけてらっしゃいました。 この中でも文太さんと文我さんは、もう演目数に関してはチートレベルというか。「実は米朝師匠より持ちネタは多いらしい」と聞いても納得してしまうような、そんなところがある。文我さんなどは「むしろありふれた演目をやっている方がレア」な気さえするし、

    昭和元禄落語心中、第1話に登場する演目を上方では誰がやっているかについて、あくまで私の知る範囲で - 万来堂日記3rd(仮)
    hanemimi
    hanemimi 2016/01/24
  • 昭和元禄落語心中、第1話を見ての個人的な感想と演目と萌えポイント - 万来堂日記3rd(仮)

    昭和元禄落語心中、見終わった。原作は読んでいるけれど、アニメは全くの初見。丁寧に作ってあるなぁ!面白かった! 登場した話は 「死神」 【落語】柳家小三治/死神(1996年) 「二番煎じ」(←小夏がラジオで聞いてるやつ) 落語 春風亭昇太 二番煎じ 「出来心」(上方では「花色木綿」) 落語:花色木綿 桂文我 「初天神」 柳家さん喬 初天神 「鰍沢」 【ラジオ寄席】落語 林家正雀「鰍沢」Rakugo 劇中でかかるお囃子は、まず「らくだ」でおなじみ「かんかんのう」 松鶴 らくだ 前座修行の場面でかかる、柳亭市馬さんの出囃子でおなじみ「吾八景」 柳亭市馬:掛取萬歳:2006年1月 次回予告でかかる古今亭志ん朝専用「老松」 志ん朝 文七元結 しっかし、丁寧だったねぇ。 松田さんが、八雲師匠が小夏さんを「お引き受け(おしきうけ)」したとか、八雲師匠が与太さんと助六さんが似ていることを指して似たような

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    hanemimi
    hanemimi 2016/01/24
  • あの名作SFはどのくらい電子書籍化されているのかなんて調べなければよかった。星雲賞日本SF長編部門編。 - 万来堂日記3rd(仮)

    なんか、世は電子書籍元年だか電子書籍リーダー元年だかで大騒ぎだそうでございまして。 まあ、今まで購入した紙の書籍を死ぬまでに全部読了出来るかといいますと、そんなん無理に決まっているので、縁がないといえば縁がない話なんでございますが。 それはそうといたしましてね、じゃあSF小説はどのくらい電子書籍化されているのか興味がわきましてね。 電子書籍を横断的に検索することが出来るhon.jpで調べてみました。 まずは、星雲賞の国内長編部門について調べてみたんですけどもね。 なんというか。 調べなきゃ良かったなぁ。 受賞年度 作品名 PC docomo au softbank 2009 ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) × × × × 2008 図書館戦争*1 × × × × 2007 日沈没 第二部〔小学館文庫〕 (上)日沈没 第二部〔小学館文庫〕 (下) × × × × 2

    あの名作SFはどのくらい電子書籍化されているのかなんて調べなければよかった。星雲賞日本SF長編部門編。 - 万来堂日記3rd(仮)
  • 家具屋に本屋を売る/読書が趣味だなんて、この変態どもめ - 万来堂日記3rd(仮)

    今からについてなにやら書こうというのだが、いまだに明確に考えがまとまっているわけではない。 今後も、私の考えは二転三転するだろう。 また、これから書くことは多分間違えている。とても自信がない。 しかし、他人の間違いから誰かがいい考えを引き出すこともあるかもしれない。であるから、試しに書いてみよう。 簡単に言うと、家具屋に屋を売ってはどうか、という話だ。 そもそもは「のための綺麗で明るい場所」という記事から そもそもはマガジン航に載ったこの記事について色々考えていたのだ。 のための綺麗で明るい場所 この記事でボブ・スタインは、ネットの時代を迎え、読書体験というのが書籍と読者の一対一の関係ではなく、(時には著者や出版社をも含めた)読者間での相互作用といったものに変貌していくというテキスト論的な見地から、新たな「屋」とはどうあるべきか、といったことについて考えている。 そして、最後にそ

    家具屋に本屋を売る/読書が趣味だなんて、この変態どもめ - 万来堂日記3rd(仮)
    hanemimi
    hanemimi 2010/01/20
    図書館の隣に本屋建てたらどう?(←おまえがよろこぶだけだ!
  • 35ブックスは誰の方向を向いていたのか。まあ、結果論ですけど。 - 万来堂日記3rd(仮)

    35ブックス、1点平均300部弱の受注に/予定を大きく下回る - 新文化 - 出版業界紙 書店のマージン改善と返品減少を目指した出版社8社の「35ブックス」の受注状況が、1点平均300部弱(26アイテム)となっていることがこのほど分かった。8社は受注数が伸び悩んでいたため、8月末までだった注文の締切りを9月末まで延期していた。 8社共同の企画「35ブックス」の継続については、来年2月頃に8社で結果を総括し、その際に今後の方針も検討する。ただ、筑摩書房は1社でも、こうした取組みを継続していく。 35ブックスのような新たな試みって奴は、最初からうまくいく方が珍しいと思うわけで、筑摩書房の意気込みには拍手を送りたくなる。 とはいえ、この新文化の記事、決して長くはないけれど、要点をきちんと押さえてあったりするわけで、最初の試みの反省点って奴もきちんと触れられている。 今回の取組みの結果からみえたこ

    35ブックスは誰の方向を向いていたのか。まあ、結果論ですけど。 - 万来堂日記3rd(仮)
  • 新古書店と戦うには刃物や著作権法ではなく電子書籍式パワーボムが必要である - 万来堂日記3rd(仮)

    ブックオフの社長さんの露出が増えてるのかな。 ブックオフは“出会い場”、次に誘導します:日経ビジネスオンライン 欲しいと思っている顧客がいる以上、当社をはじめ古書店に規制をかけることは、当の意味での顧客第一主義ではない。議論すべきは、古書店と新刊を扱う書店の双方が、書籍市場の拡大を一緒になって考えていくことではないだろうか。 ブックオフの成長を支えてきたのは20代前半男性の「漫画消費」だった。これを40代以上の層に対し、書籍の販売需要を増やす宣伝を続けたところ、2007年10月に30%だった40代以上の顧客が、2009年8月には34.7%にまで上昇している。 当社は今後も継続して、ブックオフと新刊書店や中古雑貨店を併設した大型店舗を出店していく考えだ。 名古屋の店舗はまだ実験店に過ぎないが、これで併設する新刊書店が収益をあげられないようであれば、これまでブックオフが受けてきた「新刊書店つ

    新古書店と戦うには刃物や著作権法ではなく電子書籍式パワーボムが必要である - 万来堂日記3rd(仮)
  • これでブックオフを潰すわけにはいかなくなったね - 万来堂日記3rd(仮)

    産業/【インタビュー】ブックオフコーポレーション社長 佐藤弘志さん(39) - FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE このインタビューで佐藤社長は(しかし若いですね!)、二つの方針を明らかにしている。 当社としては現在、2つを提案している。一つが、の著者に創作活動が活発になるような何らかの利益還元を行いたいことだ。現在の法律では著者への著作権料は新刊だけで、中古には及ばないため、“ブックオフが栄えても著者がやせ細っていく”との批判にさらされてきた。どうやって還元するのか、その道に詳しい大株主にアイデアをいただきたいと考えている もう一つは、ブックオフから新刊を扱う書店に顧客を誘導したい。例えば、中古コーナーに関連の新刊を告知したり、新刊ランキングを掲載したりなどだ。ブックオフにくる方はに興味がある人だから、ブックオ

    これでブックオフを潰すわけにはいかなくなったね - 万来堂日記3rd(仮)
  • 「あなたのための物語」 - 万来堂日記3rd(仮)

    あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 作者:長谷 敏司早川書房Amazon 読み終えたばかりで、まだ興奮しており、心の整理が済んでいない。 大体こういうときは、後でまた何度も感想を上げなおすことになるんである。「Self-Reference ENGINE」の時もそうだったし、「ハーモニー」の時もそうだった。 もしかしたら私の頭が固いのかもしれないが、この作品はサイバーパンクのひとつの結論であるように思う(結論がこれひとつとは限らないのが、小説の素敵なところだが)。 テクノロジーが、人間の一番根源的な体験であるところの「死」に対して、何をなし得るのか。 テクノロジーが人間をどのように変えていくのか。 ギブスンのあの名作「冬のマーケット」を上回るビジョンがこの作品で展開されている。ギブスンは死そのものを迂回して、その先を描写してしまった。 死を前にしては(ある意味)何人

    「あなたのための物語」 - 万来堂日記3rd(仮)
    hanemimi
    hanemimi 2009/10/10
  • アーカムの意欲的な取り組みに、作家さんはコメントしてほしいし、ぜひコンタクトを取って欲しい。 - 万来堂日記2nd

    アーカム:中古の利益をアーティスト、著作権者に還元すること。 弊社で販売した中古の利益の一部を著作者に還元することを約束します。 割合は著作者との協議の末決定しますが、現時点ではアーカム買取査定額の3%(販売額の1%程度)からスタートします。 販売額でなく買取額を基準値にしているのは、販売データの取得が店舗では現在、いい方法が思いつかないためです。 通販サイトアーカムブックス(http://www.arcam-b.com/)で購入されたお客様にお付けするポイントを投げ銭方式でユーザは作家さんにポイントをあげることができます。 (ニコ動の「提供」みたいな仕組みです。(ポイントを現金化するかは要検討です。) 要はお気に入りの作家さんの活動を応援するパトロンになるということです。パトロン参加リストなどを表示可能にし、作家さんとのつながりを感じる事ができます。 「売上が良くないのは新古書店のせ

    アーカムの意欲的な取り組みに、作家さんはコメントしてほしいし、ぜひコンタクトを取って欲しい。 - 万来堂日記2nd
  • 疲れ切った状態でDNPについて書いてみるよ! - 万来堂日記3rd(仮)

    ※7時間ほど残業してきたので、頭がグダグダです。 大日印刷や丸善やTRCや小学館や講談社や集英社や丸善がブックオフの株を取得したというので大騒ぎだよ! やっほう! D・N・P! D・N・P! ブックオフ株3割取得 出版不況背景に講談社、小学館、集英社など - MSN産経ニュース NHKニュース 出版大手 ブックオフ株取得へ DNP 大日印刷ニュースリリース 講談社、集英社、小学館およびDNPグループによる ブックオフコーポレーション株式会社の株式取得について ブックオフ株を大日印刷、講談社、小学館、集英社らが取得へ - 【海難記】 Wrecked on the Sea DNPと出版大手三社がブックオフ株を取得!? - 屋のほんね DNPは丸善(書店)、TRC(取次)、主婦の友社(出版)、早稲田セミナーの予備校事業などに続いて、新古書店にも一枚噛んだことになるよ! きっと次はマンガ喫

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  • 文化庁が委員会から外した人・団体の発言を検索してみたですよ - 万来堂日記3rd(仮)

    著作権制度の根的なあり方を議論する委員 - Copy & Copyright Diary こちらの記事で、id:copyrightさんが、文化審議会著作権分科会基問題小委員会の委員の選び方について不安感を表明してらっしゃるですよ。 で、エントリの最後に、今回の委員会で外された人たち、及び外された団体から出席していた人たちをリストアップしてくれているわけです。 で、議事録を適当に検索してみて、外された委員の発言を引用してみようという、そういう趣向でございまして*1。 もちろん、引用なんていくらでも恣意的にできるわけで、私が皆様に誤った印象を植え付けようとしているという可能性を、ゆめゆめお忘れなきよう。皆さんも私なんぞに騙されないように、議事録見てみると面白いと思いますよ。 では、はじまりはじまりーー。 上野達弘氏の発言 文化審議会 著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会

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  • 伊藤計劃氏と「ハーモニー」/人の生の情報量とは - 万来堂日記3rd(仮)

    ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon結果として遺作となってしまった素晴らしい長編「ハーモニー」が発表された頃、ウェブ上の感想で、伊藤氏が闘病生活を送っていることに触れる人も多かった。ただ、あくまで私が読んだ範囲でだが、そっち方面に向けて突っ込んだ感想や書評はあまり見掛けなかった気がする。 私自身も確か触れなかったと思う。なぜ触れなかったかというと、この作品を作者の人生と結び付けて語るにはまだ早いような、それにふさわしいのは読者にとって(そして願わくば著者にとっても)、発表当時のことを過去として振り返ることができるくらいの時間がたってからであるような、そんな思いがあったからだ。 こんなに早く過去になるとは思わなかった。 「ハーモニー」と著者の人生を結びつけて語るのは、その作品が鮮烈であるが故に、あまりに容易だ。 「ハーモニー」は人間性の

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    hanemimi
    hanemimi 2009/03/28
  • 出版業界は膝を折れるのかね? - 万来堂日記3rd(仮)

    講談社が大赤字だったり、出版敗戦なる文字をよく目にしたりする今日この頃。 図書館をターゲットとした公貸権や中古販売をターゲットとした消尽しない譲渡権、マンガ喫茶をターゲットにした展示権や出版物の著作隣接権といった権利の創設を求める動きも、若干のタイムラグを置いて再び活発化してくるのではないかと思うのだけれど、その時、出版業界がどのような主張をしてくるかに興味がある。 「出版敗戦」という言葉で面白いと思うのは、出版が何かと「戦っていた」という意識を反映しているところだ。では、彼らは何と戦っていたのか。 それは図書館やマンガ喫茶、新古書店といった、同様に書籍を扱うサービスであったというのが、偽らざる感想である。 そんなことやっている間に、「書籍」や「雑誌」のパイはどんどん小さくなり続け、広告も減った。 今ならば「戦う相手が間違っていたのではないか」とか「戦うのではなくて飛び込んでいくべきではな

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  • 三田誠広氏がとうとうおかしなこと言い始めた件について - 万来堂日記3rd(仮)

    著作者検索ポータル、権利者団体が開設 保護期間延長は「金の問題ではない」 - ITmedia News 三田誠広氏がこんなこと言ったそうだ。引用する。 「欧米では70年に延長されているのに日だけ50年で切れている。アルベール・カミュやアーネスト・ヘミングウェイ、谷崎潤一郎、江戸川乱歩がもうすぐ死後50年を迎えるが、カミュやヘミングウェイの著作権保護期間はあと20年残り、谷崎や乱歩は切れる。谷崎や乱歩が、カミュやヘミングウェイに劣るとは思っていない。日だけ保護期間が短いのは、創作者としてたいへん残念だ」 な、なんと! そんなひどい国があるのか! この点、日はもちろん安心であって、カミュもヘミングウェイも谷崎も乱歩も、等しく死後50年で権利の保護期間は満了する。まあ、戦時加算とかの問題はあるけれど*1。 いやぁ、この程度のことしか言えなくなっちゃってるのかなぁ。だとしたらもう表には出てこ

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  • 三田誠広氏発言集 - 万来堂日記3rd(仮)

    昨日はやっつけぎみに5分ほどでエントリを殴り書いたのですが、フォローも兼ねて、いい機会なので三田誠広氏の発言を振り返ってみましょう。 ITmedia News:「著作権保護期間の延長を」――権利者団体が要望書 ネット時代も意識 2006年9月の記事です。 「日の作家は20年分の権利をはく奪されており、創作意欲の減退につながる。海外の著作者からは『なんで日は保護期間が短いんだ』と言われ、日は著作物を大切にしない国だと思われてしまう」――協議会議長で、日文芸家協会の三田誠広氏はこう訴える。 著作権の保護期間延長がクリエイターの意欲にいい影響を与えるという、インセンティブ論って奴ですね。 著作権保護期間、作家が選べるシステムを」――延長めぐる議論再び (1/2) - ITmedia News これは2007年3月の記事です。 延長賛成派の三田さんは、ネット上に権利者を網羅するデータベース

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  • 買切りと時限再販制を併用するべきだと思うんだけど、少数派なのかね? - 万来堂日記3rd(仮)

    文化にこんなニュースが載っていた。 日販、古屋文明社長が「委託から買切りへ」 1月7日、都内のホテルで行った「新春を祝う会」で古屋社長は40%を超える返品率を指摘した後、「これまで再販と委託制度が業界の繁栄を支えてきたが、特に委託制度は行き過ぎた仕組みになっている。業界3者の誰も幸せになれていない」と言及。3者のマージン配分の再編にも触れながら、「委託から少しずつ買切りに手を付けていく」と語った。 はてなブックマークユーザーではid:asakura-tさんがやはり委託販売制を問題視していた記憶がある(たとえばこちらでのコメント)。 では、委託販売制が買い切りに移行したらみんなハッピーか? もちろん、そんなことにはなりませんよ。価格に手をつけないままでの買い切りへの移行は、ほぼ間違いなく機能不全を起こす。 私は小売りの経験しかないので、小売の話をしよう。 小売りが小売価格を下げるのは何のた

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  • 昨日に引き続き、伊藤計劃「ハーモニー」について/身も蓋もない問いかけが暴走するとき - 万来堂日記3rd(仮)

    ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon 昨日に引き続いて「ハーモニー」の話だ。 書、及び「虐殺器官」(虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション))及びアンソロジー「虚構機関」(虚構機関―年刊日SF傑作選 (創元SF文庫))収録の短編「The Indifference Engine」についてのネタバレを含むので注意されたい。 結論としてはこういうことが言いたい。 世間一般の価値観に対して身も蓋もないまでにまっすぐな問いかけをして、納得できなければ世界ごと破壊してみせる。伊藤計劃はなんという恐ろしい作家であろうか。 それでは参ります。 以前「虐殺器官」を読んだとき、私はこんなことを書いている。 最初の方で「虐殺器官」はわかりやすいと書いた。 現実世界を敷衍したような近未来社会、適度な質感の伴う戦闘描写、理解しやすいよう、ある程度

    昨日に引き続き、伊藤計劃「ハーモニー」について/身も蓋もない問いかけが暴走するとき - 万来堂日記3rd(仮)