『日本現代怪異事典』(朝里樹/笠間書院) ページを開いた瞬間、感激で目頭を押さえた。喜びのにやにや笑いが止まらない方もいるだろう。『日本現代怪異事典』(朝里樹/笠間書院)は、戦後日本で語り継がれる怪異じつに1000種類以上を網羅した大事典なのだ。 公務員として働くかたわら怪異の収集・研究をおこなう著者(怪異ファンとしては、柳田國男翁を彷彿とさせるこの経歴にも反応せざるを得まい)がまとめあげた500ページにわたる事典には、わたしたちの日常と隣り合わせにあった、さまざまな怪異が紹介されている。 古くはこっくりさん。「明治時代から現代に至るまで多くの人々に親しまれている占いの一種であり、降霊にまつわる怪異」とはじめられる。10円玉を用いるおなじみの方法だけでなく、その起源や、こっくりさんによって生じた恐ろしい体験、各地におけるバリエーションなど、広範かつ厚い情報が端的にまとめられている。小学生の
初版年月日 2015年5月 書店発売日 2015年5月14日 登録日 2015年5月12日 最終更新日 2015年5月12日 紹介 アレゴリーとは「愛は盲目」や「光陰矢のごとし」などの抽象的な表現を、絵画などの具体的な表象を用いて古代の神話や聖書、あるいは中世の占星術に範をとり、比喩的かつ暗喩的に表わす方法のことである。絵画的には、その概念を明らかにするアトリビュートをともなう、擬人像として表現されることが多い。たとえば、本書で説かれる、西欧美術に表わされたアレゴリーの主要なタイプである〈美徳〉と〈悪徳〉のように。 目次 緒 言 はじめに 絵画のジャンル アレゴリー 擬人化 アレゴリー、美術、言語 アレゴリーの類型 異教の神々 社会的美徳のアレゴリー 君主と宮廷人を顕彰するためのアレゴリー アレゴリーと王家の誇示 アレゴリーと占星術 美徳と悪徳 神学的美徳──〈慈愛〉 枢要徳──〈正義〉
紹介 アメリカにおける最もすぐれた演劇評論に対して与えられる ジョージ・ジーン・ネイサン賞受賞作(2007 年度)! 「批評家や作曲家は長い間、ミュージカルをオペラに適用される標準に合わせ、 一つ一つの要素を統合して渾然一体のドラマと創造すべきだと主張してきた。 しかし著者によれば、ミュージカルは台詞劇とは違う形式であり、歌のための プロットを宙づり(中断)させることを求めるものである。 ミュージカルの成功はスムーズな統一にあるのではなく、 差異が生む生気にあるのだ。 ダンス、音楽、対話、歌は互いに異なるものでありながら、結びついて アクションと登場人物の異なる側面を探求するのである。 1920 年代及び30 年代のショーから今日にいたるまで、 ロジャーズとハマースタイン、スティーヴ・ソンドハイム、 カンダー&エブ、バーンスタイン、ジェローム・カーンのような 作曲家と作詞家を議論しながら、
初版年月日 2015年5月 書店発売日 2015年5月14日 登録日 2015年5月13日 最終更新日 2015年5月14日 紹介 戦後直後のベストセラー『愛情はふる星のごとく』の著者尾崎秀実は、言論人・政治家として中国の現実を深く読み取り、日本とアジアの将来を鋭く問いつづけた。「従来日本には余りに政治が無さすぎた」など、その直言の数々は今なお強く我々の現実をうつ。尾崎を語っては第一人者である著者が、永年の調査を経て書き下した決定版。ゾルゲ、スメドレーらと共に、死を賭して反戦・平和のために奔走した思想と行動の軌跡。 目次 補訂にさいして 凡例 一 楠氏の末裔 二 台湾 三 第一高等学校 四 東京帝国大学法学部 五 疾風怒濤 六 思想変革 七 就職・結婚 八 上海(一) 九 上海(ニ)──スメドレーとゾルゲ 一〇 上海(三) 一一 小休止 一二 ふたたびゾルゲと 一三 組織と活動 一四 準戦
紹介 すべて臨地調査による豊富な資料をもとに、奄美を含む全琉球方言を分析。通時的変化過程の追究と共時的な方言実態の探究を通して比較方言学の方法の確立をめざす。 目次 はじめに 琉球方言区画図 母音分布図 ハ行子音分布図 カ行子音分布図 I 序説 1. 琉球方言研究概観 2. 琉球方言の成立と区画 3. 音節における子音と母音そして拍 II 音韻変化の通時的考察 1. 母音変化の通時的考察 2. 子音変化の通時的考察 A カ行子音 B ハ行子音 III 音韻実態の記述的研究 1. 与那国方言の音韻 与那国祖納方言の音韻 2. 八重山方言の音韻 A 石垣方言の音韻 B 八重山諸方言の音韻 3. 宮古方言の音韻 A 大浦方言の音韻 B 宮古諸方言の音韻 4. 沖縄方言の音韻 A 奥式方言の音韻 B 沖縄諸方言の音韻 5. 奄美方言の音韻 A 名瀬方言の音韻 B 奄美諸方言の音韻 6. 琉球諸方言
初版年月日 2015年5月 書店発売日 2015年5月14日 登録日 2015年5月13日 最終更新日 2015年5月14日 紹介 十五年戦争下に行われた能・謡に対する弾圧の実態を詳細に跡づけ、この史実に立って大成期猿楽能の思想的基調を逆照射する。即ち、皇室・武士・女性・貴族等の取りあげ方、地獄の業苦、生きる悲哀感の描写等を謡曲の詞章に辿り、鎌倉新仏教との思想的連関、人間存在の根源に鋭く迫る視座、「否定の論理」の伏在、等々を的確明快に指摘する注目の書下し論考。 目次 まえがき 前編 十五年戦争下の能・謡に対する弾圧 第一章 事実の経過 第二章 戦時下能楽界の時流同調 第三章 能・謡弾圧は何を示唆するか 後編 大成期猿楽能の思想史的考察 第一章 猿楽能の思想傾向に関するこれまでの見方 第二章 主として謡曲の詞章に拠る猿楽能の思想的基調の考察 一 天下国家の祝寿 二 皇室の取りあげ方の考察 三
紹介 アナキズム研究の第一人者が綿密な実証と豊かな想像力によって描き上げた初の本格的評伝。現代思想史上に屹立する大杉栄の特異な存在に新たな光を照射した快著。年表・索引を付す。 目次 大杉栄私見(序にかえて) 荒畑寒村 1章 反逆する青春 1節 「自叙伝」の世界 2節 社会主義者誕生 3節 監獄でできあがった人間 4節 一九一二年七月 2章 『近代思想』とその挫折 1節 大正社会主義の第一声 2節 二巻二十三冊の重み 3節 『平民新聞』と『近代思想』の復活 3章 大杉栄の三つの顔 1節 科学者の顔 2節 哲学者の顔 3節 文学者の顔 4章 死灰のなかから 1節 大杉をめぐる三人の女 2節 どん底時代 5章 労働運動への前進 1節 北風会の結成へ 2節 『労働運動』の理論と実践 6章 ロシア革命とアナ・ボル論争 1節 一九一七年の衝撃 2節 協同から抗争へ 3節 アナキスト対ボリシェヴィキ 7
鎌倉の由比ガ浜公会堂(鎌倉市由比ガ浜2)などで5月19日、本をテーマにした「ブックカーニバルinカマクラ2018」が開かれる。 過去の会場の様子。由比ガ浜公会堂2階の一箱古本市では出店者と来場者が触れ合った 「明治から昭和にかけて『鎌倉文士』と呼ばれる作家が多く暮らした鎌倉は、今も書店や古書店、出版社、本が集まる店やスポットがたくさんある」と話すのは実行委員の荘田賢介さん。「鎌倉を『ブックタウン』にしようとスタートし今年で7回目。昨年も本好きが約1000人が1日鎌倉を回遊した」と続ける。 メインの一箱古本市は、「本を選ぶ、並べる、勧めるなど、1日限定の古本屋さん体験ができるので毎年たくさんの出店がある」といい、今年も同公会堂と「ガーデン&スペース くるくる」(由比ガ浜2)に35の一箱古本店が並ぶ。「ひつじや」「肉と骨の旅」「honnomiほんのみ」「サンズイ舎」「idealife with
「週刊朝日」(2018年4月13日号)の書評に「文学者と奔放な女性との情事」という煽情的な見出しで紹介されていたので手に取ったのが、本書『老愛小説』(論創社)だ。評者の小谷野敦氏(作家・比較文学者)は、「小谷野賞」という賞を個人的に運営しているそうで、その第2回受賞作が本書にも収められている「老愛小説」(「文學界」08年8月号)ということだ。ほかに「虹の記憶」「仮の宿」の2つの中編を収録しているが、3作に共通しているのは、主人公がフランス留学から帰国して大学の教師であること。艶っぽい女性と出会うことだ。 著者の古屋健三氏は、慶應義塾大学名誉教授で、スタンダールの翻訳者としても知られる。「三田文学」編集長を務めたこともあるが、あとがきによると、「定年退職したら、どこにも行かずだれにも会わず、閉じこもって小説を書いて過ごそうと決めていた。そうして心のなか深く潜り込んで、自分の赤裸々な姿を彫り出
『不思議の国ニッポンのお葬式~葬儀屋が語るココだけの話~』(大川誠二/啓文社書房) “終活”という言葉をよく耳にする。自分の葬儀や財産分与、お墓、遺言書などをあらかじめ考え、準備をするというものだ。 ほとんどの場合、人が亡くなるのは突然のこと。そして、わずかな時間で様々な手続きを行い、お葬式を行う必要があり、その他にもやらなければならないことが山積みだ。そう考えると“終活”は、残された家族の負担を少しでも軽くしたい、という最後の思いやりなのだろう。 死は必ず訪れる。だからこそ自分のためにも、家族のためにも「縁起が悪い」と向き合わずにいるのではなく、最後の別れの場のお葬式について知る必要があるはず。そこで、葬儀にまつわる経験談や裏話が書かれている『不思議の国ニッポンのお葬式~葬儀屋が語るココだけの話~』(大川誠二/啓文社書房)が参考となる。葬儀会社を経営する著者が、葬儀の現場で見てきた裏話や
紹介 「ドイツ年間ゲーム大賞」の設立メンバーのひとりであり、ドイツ・ボードゲーム界の第一人者であるトム・ヴェルネックによる、ボードゲーム デザイナーのための実用的なアドバイス本。 幾度もの改定版が刊行され、他言語にも翻訳されている本書は、世界的なロングセラーとして知られている。著者の30年にわたる経験にもとづいた価値あるヒント、具体的なノウハウが満載。 本書は、ドイツのボードゲームジャーナリストが著したゲームデザイナーのためのガイドブックで、デザインから製品化までをトータルにサポートしている。ボードゲームを作ってみたいと考えている初心者から、「ゲームマーケット」に何度も出展しているようなベテランまで、個々の才能を十二分に発揮し、コストパフォーマンスよくボードゲームを製作販売できるようになるためのヒントを与えてくれる。(訳者まえがき より)
初版年月日 2018年5月 書店発売日 2018年5月14日 登録日 2018年4月23日 最終更新日 2018年5月17日 紹介 異世界にトリップし、アンデッド城のコックとなったユイ。城主であるエルドレア辺境伯に気に入られ、不気味な城の一員として平和な日々を過ごしている。けれど、何やら隣の領地が攻めてくるらしく、アンデッドたちはその準備を進めていた。そこでユイも、得意の料理で彼らを元気づけることに。その矢先、辺境伯から衝撃的な一言を告げられる! 「お前は魔物の姫アリーヤの生まれ変わりかもしれない」。まさかと思うユイだったけれど、それを裏付けるように、次々と不思議なことが起きて――? 辺境伯の過去と、ユイが異世界に来た理由――。すべての謎が明らかになる、大感動の最終巻!文庫だけの描き下ろしも収録。
初版年月日 2018年5月 書店発売日 2018年5月14日 登録日 2018年4月23日 最終更新日 2018年5月17日 紹介 実家が〝ヤ〟のつく職業で、身体能力が自慢の利菜。彼女はある日突然、異世界にトリップしてしまう。幸い、マフィアの幹部であるフォルテに拾われたものの、この先、知らない世界でどう生きようか悩んでいた。するとある日、フォルテにメイド学校への入学を勧められる。早速、試験を受けるが、この世界の文字が読めず家事が苦手な利菜には、まったく歯が立たない。唯一結果を出せたのは、 持ち前の運動神経をいかした体力測定のみ。なんとか試験に合格し、学校生活を送ることになった利菜。だけどその授業は給仕ではなく、なぜか戦闘訓練ばかりで――。利菜は、正しいメイドになれるのか?文庫だけの書き下ろし番外編も収録!
初版年月日 2018年5月 書店発売日 2018年5月14日 登録日 2018年4月11日 最終更新日 2022年2月23日 紹介 北海道大学で、 2013年に始まったグローバル人材を育成するための 特別プログラム、新渡戸カレッジは、 昨年第一期生がめでたく巣立ち、今春第二期生も修了した。 北大のさらなる挑戦とは? 前著の反響に応える。 海外留学の体験、卒業生でグローバルな仕事に就いている フェローたちによる指導や交流、 日本の刑務所など国内の問題への視点を養うなど、 教員やフェロー、在学生などの言葉で具体的に紹介する。 新渡戸カレッジとは… 北大の前身である札幌農学校二期生で、 国際連盟事務次長を務めた新渡戸稲造の精神に則り、 新渡戸カレッジは創設された。 上すべりの英語教育などではなく、 多様な文化的・社会的背景を持つ人々と 円滑にコミュニケーションをとり、 問題解決能力やチームワーク
紹介 『ハーフ・ブリード』(メキシコ論)に続く、今福龍太によるブラジル文化論決定版。1930年代のブラジル映画黎明期から、シネマ・ノーヴォを代表する傑作群、それにつづくトロピカリズモの時代、ブラジル文化の新たなヴィジョンを示した1980年代の問題作まで、世界映画史に屹立する「ブラジル映画」を育んだ精神性、その特異な集団的美学がよってたつ大地の歴史・風土・文化(音楽、思想、文学、演劇……)を縦横無尽に探究する。 本書で取り上げている主な映画 ・『限界』Limite 製作・監督・脚本・編集:マリオ・ペイショット/ブラジル/1931年 ・『ブラジルの発見』O Descobrimento do Brasil 監督:ウンベルト・マウロ 音楽:エイトル・ヴィラ=ロボス/ブラジル/1937年 ・『リオ40度』Rio,40 Graus 監督・脚本:ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス/ブラジル/1955年
紹介 ドイツの映像作家で理論家 ハルーン・ファロッキの監督作 《世界のイメージと戦争の刻印》(1988年)と《隔てられた戦争 識別+追跡》(2003年)二作を収録。国内初のDVD化! ハルーン・ファロッキ (ハルーン・ファロッキ) (作) 映画監督、映像作家。1944年、ドイツ占領下のズデーテン地方(現チェコ共和国)生まれ。1966年にドイツ映画・テレビアカデミー(dffb)に入学し、1967年以降ドイツを拠点に、120作品を超える映画とインスタレーション作品を手掛ける。世界各国の映画祭、アートフェスティバルなどで作品が紹介されている。カリフォルニア大学客員教授(1993-99)、ウィーン美術アカデミー教授(2011-14)などを務め、2014年7にベルリン近郊で70歳でこの世を去る。
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