【著者に聞け】パリッコさん/『酒場っ子』/スタンド・ブックス/1620円 【本の内容】 〈「いいお店を探し出す嗅覚があるんですね!」〉。こんなふうによく言われるというパリッコさんだが、そんな超能力はないのだとか。〈強いて持っているとすれば、酒場に対する、人よりちょっと旺盛な「好奇心」のみ〉。本書はパリッコさんが未知の大衆酒場に飛び込んで、食べて飲んだ記録。東京の大衆酒場を中心に、時に山梨や静岡、京都や沖縄にも足を延ばす。巻末には本文に登場する店名と人物の索引も付いていて、実用的だ。 若手飲酒シーンの旗手、と本の帯に書かれている。酒エッセイのニューウエーブとして注目を集める著者の初めての単著は、全国の大衆酒場の訪問記だ。登場する店は100軒以上、読むだけで酔いが回ってきそう。 「基本、何でもかんでも楽しんでしまえるし、食べものから異臭がするぐらいのことがないと『この店は外れ』だなんて思いませ