戦時中、細菌兵器の開発を行った日本軍の秘密部隊、関東軍防疫給水部、通称731部隊。この組織の全貌を知る手がかりがロシアのモスクワで発見された。命を守るべき医学者が、なぜ人体実験に手を染めたのか。70年の時を経て明らかになるその真実とは。 人体実験を主導したエリート医学者 当事者たちの肉声を記録した22時間に及ぶ音声テープ。終戦から4年後、731部隊の幹部らを裁くために旧ソ連で開かれた軍事裁判の音声記録だ。細菌兵器開発のために、生きた人間を実験の材料として使ったと証言されていた。 「秘密中の秘密というのは、細菌戦をもって攻撃をやるという研究をやったということと。それから人体実験を行ったという2つの点であります」(関東軍 梶塚軍医部長の証言) 731部隊が実験を行っていたのは、中国東北部の旧満洲にある秘密研究所。実験材料とされ、亡くなった人は3,000人に上るとも言われている。NHKが収集した