銀ひげ師匠の書道教室に通って来ている泰一郎君が、弟子入りを志願したそうだ。 師匠からそのことを聞いて、晶太は驚いた。 「どっちの弟子ですか?」 「それがな、書道ではなく魔法の方なんだ。他の生徒さんたちが話しているのを耳に挟んで、私が魔法使いだということを知ったようだね。情報源は二人連れで、小さな女の子と年配の女性らしい」 「きっと、ゆなちゃんとお祖母さんですね」 師匠は去年、書道教室で最年少の結奈ちゃんから、庭に立っているスケアクロウについて相談を受けた。すぐに問題解決の方法を見つけ、その後の経過も順調なため、 「先生は魔法使いのようだ」と言われている。 結奈ちゃんはともかく、お祖母さんの方は本物の魔法使いだと思って言っているわけではないから、そこのところは泰一郎君の誤解だけれど、銀ひげさんはほんとうに魔法使いなので、結果的には当たっているのだった。 「もし弟子入りしたら、ぼくよりひとつ年