「政策より金策に一生懸命だった」。詐欺容疑で逮捕された、山内康一衆院議員の元政策秘書、神(じん)武幸容疑者を知る議員秘書は、こう口をそろえる。神容疑者の周囲では金銭トラブルが絶えず、「被害者」は秘書仲間や報道関係者にまで及んだ。事務所運営費、ファンドへの投資、病気の治療費−。さまざまな口実で金を無心した神容疑者は、議員秘書の立場も最大限に悪用。交渉には議員会館事務所も使われていた。 関係者によると、神容疑者が金策を持ちかけるようになったのは、山内議員秘書となった直後の平成18年ごろ。議員会館内で秘書仲間に対し、「ファンドへの投資」として200万〜1千万円の出資を募った。実際に数人の秘書が応じたが「半年後に利子をつけて返す」との約束は反故にされ、期日までに元金すら戻らなかったという。 神奈川県内に住む元会社社長が融資を求められたのも、議員会館内の山内議員事務所だった。架空の投資事業組合の契約