ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (113)

  • 岡田一郎『革新自治体』 - 紙屋研究所

    どこかで聞いたような… 美濃部革新都政が誕生した選挙で、美濃部陣営に加わった中野好夫が当時の社会党に対して、それまでの都知事選挙(社会党は田川・加藤・有田・阪の4候補を歴代担いできた)の経過をふりかえって加えた批判は次のようなものだった(中野「革新都政を支えるものは何か」)。 田川、加藤の選挙には全く関係しなかったが、二度の有田選挙、そして前回の阪*1 選挙には、いずれも多少ながらこれに関係させられた。さてその敗戦後におけるこれら候補者に対する〔社会――引用者注〕党の処遇は、明らかによくなかった。不信義とさえいえると思う。まるで担ぎ出しておいて、あとはポイといってよい形だった。(岡田『革新自治体』p.85に中野の引用) 美濃部を候補者と選び出すまでに、革新陣営は二転三転している。 まず、国民的人気があったとされる社会党の江田三郎。 江田に都議会が少数与党であることなどを理由に断られ、総

    岡田一郎『革新自治体』 - 紙屋研究所
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2016/07/31
    "東京では自民党都政(東知事)の時代に青少年健全育成条例が採択され、「不健全図書」の指定制度が導入された。""しかし、一九七二年の美濃部都知事の誕生で都の姿勢は一転、謙抑的となった" →試験に出すべき(小波
  • 斉藤利彦『明仁天皇と平和主義』 - 紙屋研究所

    天皇明仁の問題意識 天皇の生前退位が話題である。 天皇が訪問できなくても、「調子悪い」って言って寝ておけばいいんじゃないの? 無理していく必要あんの? と思っている人も多かろう。(まあ、それでもいいと言えばいいのであるが。) そのあたり、天皇明仁が、象徴天皇というものをどうとらえているのかを知っておく必要がある。 そこで書斉藤利彦『明仁天皇と平和主義』ですよ。 『明仁天皇と平和主義』が描く明仁像は、彼が日国憲法に定められた象徴天皇とはどういうものかを模索してきた天皇だというものである。 斉藤の書で紹介されている明仁の言葉は、次のようなものである。 象徴とはどうあるべきかということはいつも私の念頭を離れず、その望ましい在り方を求めて今日に至っています。(書位置No.1495=kindle版の位置情報、以下同じ) 「日国憲法に定められた象徴天皇」ということは、政治への権能を一切持たな

    斉藤利彦『明仁天皇と平和主義』 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2016/07/25
    "高齢を理由に摂政を置くのはどうか。これなら憲法の精神に合致する。""しかし、やはり象徴天皇自身が公的行為をすることへのこだわりが明仁にはあるらしい" →やはり天皇サイボーグ化計画を(マテ
  • 参議院選挙の結果を見て - 紙屋研究所

    野党共闘の、「驚くべき」と言ってよい「成果」 参院選が終わって一番の注目すべき点は、何と言っても野党共闘をした1人区で11も勝利したことだろう。1人区での野党の勝利は前回わずか2だったのだから、正直驚いた。 民進党は前回2013年参院選の17と比べれば32を獲得した。民進党内でどう評価され、どう表現されるかよく知らんが、「ウハウハと言っていいんじゃないか。民進党にとっては『起死回生の野党共闘』だ」とか言ってた民進党関係者もいた。 「共産党と一緒だと損だ。民進党は目を覚まして共産党を切り、健全野党になれ」的な意見をネット上でチラホラ見たけど、こういう目の前のソロバン勘定だけで考えても、この種の意見は説得力に乏しい。だけど、そういう目の前の利益だけでなく、長期的に考えて、日政治文化にとってもこの道が一番いいだろうとぼくは思う。 安倍首相の支持率はなぜいつまでも高いのか 安倍首相ではないが、

    参議院選挙の結果を見て - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2016/07/14
    "政権合意が欠けている。野党側は、確かに与党が言うように、安倍政権を倒した後の、合意されたビジョンが存在しないことになっているのだ。" →「オリーブの木」日本版はできるのか、要注目(こなみ
  • 【読み捨て版】読書家などとは言えぬぼくが勧める、ぼくの人生を大いにもしくは少しだけ変えた5冊 - 紙屋研究所

    もちろんこの記事のパロである。 【保存版】数千冊は読書した私が勧める、あなたの人生を変えるかもしれない30冊 - トイアンナのぐだぐだ 「面白かった!」と思えるに出会うのはたやすいけれど、人生を変えるほどの衝撃を与えられることはめったにない。ブログ「トイアンナのぐだぐだ」でオススメされているは悪くないけれど、優等生的すぎる。ひとが人生で変えてしまうのは、有名なのこともあるが、たいていは名も知らぬだったりする。 メールなどで「影響を受けたは何ですか」と質問いただくことは全くないが、ぼくも向こうを張ってぼくの人生を実際に大いに・あるいは・多少変えてしまった5冊のをリストアップした。たぶんこのリストを見たあんたの人生は変わらないだろう。読み捨ててほしい。 国家と革命 (岩波文庫 白 134-2) レーニン 宇高 基輔 岩波書店 1957-11-25 売り上げランキング : 216

    【読み捨て版】読書家などとは言えぬぼくが勧める、ぼくの人生を大いにもしくは少しだけ変えた5冊 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2016/07/14
    "インパクトを与えられて成長を遂げると、やがてそこから離れていく。それでこそ「人生を変える本」なのだ。" →「梯子を上りきった者は梯子を投げ捨てねばならない」(ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』)
  • マルクス主義者にとっての人生の意味 - 紙屋研究所

    旧日軍に入営した主人公・東堂太郎が異常な記憶力と軍の規定を駆使して、軍隊内の不条理と向き合う、大西巨人の小説『神聖喜劇』をくり返し読んでいる。 風呂でほぼ毎日朗読している。 光文社文庫版第2巻の372〜373ページには、ヨッフェの遺書が掲載せられている。 ア・ア・ヨッフェは、ボルシェヴィキの一人で、革命ロシアの外交官になった人物である。トロツキーと親しく、のちにスターリンによって自殺に追い込まれた。その際の遺書である。 すでに三十年以前に私は、人間の生命は、ただ人類が吾人〔私たち――引用者注〕の脳裡に意識せしめる無限のためにそれが用いられる範囲内および期間内においてのみ、吾人に価値がある、という哲理を把握したのであった。人類以外〔の誰か個人――引用者注〕はすべて吾人にとって有限であるがゆえに、それらに仕えることは無意味である。人類は必ずしも絶対に無限ではないにしても、その終焉を吾人はほと

    マルクス主義者にとっての人生の意味 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2016/07/13
    "同調圧力の前で、不自由を感じる人""国家や家族、地域共同体や社会というものを個人より優先させるのはおかしいといい続けなければなりません。""武器になるのが憲法" →息苦しく生きる、貴方のための憲法!w
  • 伊藤野枝『無政府の事実』精読 - 紙屋研究所

    前のエントリで書いた伊藤野枝であるが、いくつか彼女の書いたものを読む。読みやすくて面白い。被差別部落出身者の運命の悲惨さ、そこに蓄積される(負の)エネルギーを身も蓋もなく描いた小説「火つけ彦七」もよかった。その中の一つで短い論説である「無政府の事実」を読む。 前のエントリで書いたとおり、「無政府の事実」は、近代国家=政府=行政などなくても、人々は立派に支えあって生きているではないか、というクロポトキン『相互扶助論』の日的な展開を書いている。 そして、ここに上がっているのは、他でもない(現)福岡市の片田舎にあった、今日でいうところの「町内会」が描き出されているのだ。 町内会が明治・大正期にはどのように相互扶助をしていたかを生き生きと描き出している。 むろん、これは伊藤が見た「福岡市(今宿)の町内会」であり、都合がよすぎる書き換えということもあるかもしれない。必ずしもこれが丸ごと史実というわ

    伊藤野枝『無政府の事実』精読 - 紙屋研究所
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2016/06/06
    "「顔の見えない範囲」を相手…本来の「コミュニティ」ではもはやない""理想は PTAや町内会…の負担を「職場の飲み会」的負担にまで下げること""必要が明確であり 事業ごとに集まってパッと解散" →長いが必読の内容
  • 「格差は教育費無料でも広がる」のか - 紙屋研究所

    このエントリを読んで思い出したこと。 格差は教育費無料でも広がる ぼくは無料塾で講師のようなことをやってきたが、この春、ずっと教えてきた中学生のRくんが志望する学校に合格できた。万歳! Rくんは前のエントリでも書いたけど、「偶数と偶数の和はなぜ偶数か」という説明をぼくがして、なかなか理解してもらえなかったという話に出てくるコである。 偶数と偶数の和は偶数であることの説明 - 紙屋研究所 偶数と偶数の和は偶数である・リベンジ - 紙屋研究所 Rくんのお母さんの話では「その進学しようと思っている学校の入試の過去問をきちんとやっておけばよい」と担任が言っていたとのことだった。3年分の過去問が実際に中学校から手渡されていた。そこでお母さん、人と話し合って、入試までも残りの時間は過去問をカンペキにできるようになっておこう、ということを目標にしてやることにした。ぼくは「過去問はカンペキに解けるように

    「格差は教育費無料でも広がる」のか - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2016/06/06
    "福岡市は60年間続けてきた生活保護世帯への下水道料減免制度も今年度からなくしてしまった。いわば、貧困世帯に足払いを食らわせておいて、「貧困対策」を売り物にしている" →福岡産マッチポンプw
  • 栗原康『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』 - 紙屋研究所

    新しく引っ越したところの町内会の堅牢さにほとほとまいっている。別に今何か役を押し付けられたわけでもないけども、ピラミッド状のがっちりした組織が、引き受けなくてもいいような行政仕事を請け負って、その負担の重さに悲鳴をあげている様子が、総会のパンフレットから痛いほど伝わってくる。いわば「勝手に」苦しんでいるのだ。 そして、小学校のPTA。 総会に自民党議員だけが招かれ、あいさつをし、学校から自主独立の団体と規定されながら、学校の仕事にがっちり組み込まれた規約が厳然と存在する。 任意制であることを確認しましょうよ、それにふさわしい組織のあり方に見直すように1年間かけて調査・検討を始めましょうよ――ぼくがそういう提案を総会でいきなり出してみたら、否決された。 ぼくはPTAの一つの委員会の副委員長をくじ引きでやることになったのだが、その際に、やはりくじで選ばれたシングルマザーの方の苦境を聞いた。とて

    栗原康『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』 - 紙屋研究所
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2016/06/06
    "今まさに福岡の辺境で起きているPTAや町内会をめぐる…半強制の元で行政や学校の下請けになってしまっている事態は…伊藤野枝の精神を思い起こすことで批判されなければならない" →ブログ主の怒り(こなみ
  • 保育の質をどこで線引きする気なのか - 紙屋研究所

    これなんだけどね。 今の保育園の問題は、「日の競争力強化の阻害要因」の問題であって「弱者救済の福祉の不備」の問題ではない。 - 蕎麦屋 このブロガー(「蕎麦屋」)の主張は、どこからか原資を調達してきて認可保育園でなくて、保育所をつくれということにつきる。 「認可かどうかはどうでもいい」という点と、 「原資の調達先は保育園に入所している高額所得者に限定」という点に その主張の特異性がある。 (1) 認可園に落ちたかどうかが問題じゃないんだ、保育施設が(都内は)満杯なんだ、というのがまずこの「蕎麦屋」の主張としてあるけども、認可かどうか(保育の質)がどうでもいいなら、都の「認可外保育施設指導監督基準」を一気に緩和して、空き教室や都心の廃校や体育館で無資格者を使って数百人を託児すればいい。そこまでいかなくても、今の安倍政権が提案している「緊急の詰め込み」をすればいい(足りなければ足りるまで詰め

    保育の質をどこで線引きする気なのか - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2016/04/13
    "一部の利用者だけの問題ではない。となれば受益者負担金である保育料に保育施設(しかも民間の認可外施設)の整備費用の原資を求めるのは筋が通らず、一般の税金から出すべき" →社会の本気度が問われる(二度目)
  • 同性愛を「気持ち悪い」と思うこと - 紙屋研究所

    「同性愛は異常だ」という発言をする人は、ある性愛の有り様が自分にとって気持ち悪い、ということを根っこにもっているんだろう。 ヘテロセクシャルでも、たとえば自分の上司(疲れた年輩のじーさん)が自分の職場の高齢の経理の女性といちゃいちゃしたりセックスしている姿を想像するのは「気持ち悪い」と思うことがある。あ、いや、別に「経理の女性」というのはあくまで一例であって、「なんで経理の女性なんだ」とかつっこまないでくれ。一例ですよ一例*1。「経理の女性」でなくても、その上司が同年代のとセックスしている姿も想像すると「気持ち悪い」。 ぼくは、自分の多くの身近な年輩の男女のセックスを具体的に想像すると「気持ち悪い」。ぼく自身ももうすぐその年齢にさしかかるというのに、そう思ってしまうのは、何だかなと思うのだが、そう思ってしまうこと自体はまあ仕方ないんじゃないのか。*2 性的な嗜好というものは、とても敏感な

    同性愛を「気持ち悪い」と思うこと - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2015/12/14
    "同性愛者と聞くだけで…性的な側面を思い起こす…異性愛者に対する時は、ほとんどない""「気持ち悪い」という意識はいっこうにかまわないが、「異常」…はおかしい" →「スティグマ」案件http://bit.ly/1P2hVil
  • 古川琢也+週刊金曜日取材班『セブン−イレブンの正体』 - 紙屋研究所

    年賀状の季節である。 サヨク仲間の知り合いから「郵便局の年賀状ノルマがキツい。買ってくれないか」という依頼が来た。「資とたたかわないのか」と怒るむきもあろうが、まあいろんな人がいるのである。 ぼく自身必要なので100枚、その人から頼んだ。 ブラックバイト問題で「自爆営業」という言葉が話題になった。 ノルマを課せられた売り子が、売れない分を自分で買ってしまうことだ。コンビニのキャンペーン商品などでやらされるハメになることが多いという。 すでに7年前に描かれた書『セブン−イレブンの正体』を読んでいると自爆営業が出てくる。 しかし、それはコンビニ働くバイトの話としてではない。 店舗を指導するセブン−イレブンの社員たちの話として登場するのである。「過酷なノルマと『自腹買い』」という節には、もともとイトーヨーカ堂の社員だった人(現在は店舗オーナー)が、もともとセブン−イレブンの社員だった人たちに

    古川琢也+週刊金曜日取材班『セブン−イレブンの正体』 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2015/11/27
    "本体は「身ぎれい」にされているのに、一番矛盾に満ちた部分は下請そのまた下請、取引先企業などに「アウトソーシング」されている" →東電とセブンの共通点。/「セブンイレブン嫌な気分」(使い古されたネタ)
  • 不破哲三「本と私の交流史」の記事を読む - 紙屋研究所

    屋めぐりをまったくしなくなった。 福岡には古屋がないせいである。 いや、あるよ。 あるけど、遠いし、ほとんどないので行かないのである。 言っとくけど、ここで言っている「古屋」っていうのは、ブックオフとかそういうアレじゃないから。古書店だから。 大学時代は、大学の周りの古屋をよく歩いた。あと、学生自治会運動で東京に国会要請に行ったときはほぼ必ず神田の古屋歩きをした。 1953年刊行の岩波書店『日主義講座』(戦前の野呂栄太郎たちがかかわった『日主義発達史講座』の方ではない)を買って「『発達史講座』があれくらい高い評価をもらったのだから、戦後のマルクス主義者たちのこの講座はきっとスゴいに違いない」と無根拠なコーフンしたものである。 むやみに安かったし。 まとめ買いして下宿に、ドン、と置いておくのだ。 これ見よがしに。 これでもうアレである、戦後のマルクス主義の到達は一気に

    不破哲三「本と私の交流史」の記事を読む - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2015/11/27
    "ユーゴスラビアの党大会で、タダで置いてあった「資料」…を喜々として持ち帰る不破のフリークぶり""自分の著作の典拠に使っちゃうんだから、尋常じゃねーわな……" →山に登り、本を漁る男、それが不破哲三(こなみ
  • 今野晴貴『ブラック企業』『ブラック企業2』 - 紙屋研究所

    公約でいっぱいあった「ブラック企業規制条例」はどうなった 宇都宮健児が都知事選に立候補したとき「ブラック企業規制条例をつくります」というのが公約にあった。 この前のいっせい地方選挙でも「ブラック企業規制条例」を公約に掲げた候補がいた。 しかし、くわしい中身については検索しても出てこない。 宇都宮選対の関係者に電話したこともあるけど、条例の大綱のようなものはないという話だった。 「ブラック企業規制条例」……。 ブラック企業を何とかしたい。 そんで自治体にできることは何かないだろうか、という意気込みは伝わってくるんだが。 宣言的な条例っていうモノものある。理念条例。こういうまちにしますよ、というような考えを示す。この場合だとブラック企業は許さないよ、という宣言をして、まあたとえば官民一体で社会運動やりますよとか。 そういうのもアリだ。 やれることは何でもやったほうがいい。 ただ、自治体の施策と

    今野晴貴『ブラック企業』『ブラック企業2』 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2015/10/28
    "(1)相談窓口をたくさんつくり、できれば労働組合につなげていく(2)労働者や若者に対する労働法の教育・啓発""権利行使が引き出されるマインドの育成" →民法が先かもねw http://bit.ly/1NvAECf
  • 避難指示が出ているのに誰も逃げない問題 - 紙屋研究所

    朝日新聞デジタルで町内会・自治会特集が始まっている。 町内会について意見を集約しており、すべて読める。 すべて読んだ(9月20日時点)。 いろんな意見があるわけだが、大雑把にいって、(1)町内会は必要であるという意見、(2)強制され、負担を背負い込むのはいやだという意見の対立となっている。アンケートのうち「自治会・町内会に課題があるとすれば何だと思いますか」で半分近くは「会員の高齢化、役員のなり手不足」をあげている。他方2位の「活動内容がわかりにくい、負担が大きい」が2割にとどまっているというのは、この回答者がどちらかといえば町内会を実際に担っている側からの意見が多いことをうかがわせる。 (1)町内会必要論と(2)強制・負担反対論は、ぼくの『“町内会”は義務ですか?』で両立しうることが示されているが、(2)の強調は町内会否定へと結びつくことが多い。町内会の現実を知っていれば、改革はそう簡

    避難指示が出ているのに誰も逃げない問題 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2015/09/23
    "そもそも堤防の整備が遅れているという全般状況の中で、あるいは避難指示の遅れ、不徹底の状況下で「土のうを積む」ことの虚しさを感じるのはぼくだけではあるまい。" →そして註の喩が的を射てる(こなみ
  • 保阪正康『戦場体験者 沈黙の記録』 - 紙屋研究所

    40数年もかけて4000人から話を聞いたということ、戦友会の抑圧構造が一般兵士の戦場体験証言の少なさに結びついているという新聞広告を見て書を手にとった。 兵士としての戦場体験を直接聞けたのは、ぼくの父方の祖父と、つれあいの父方の祖父の2人だけである。しかし、どちらからも詳しい戦場体験を聞くことはできなかった。一、二度、アウトラインのようなものを話してもらってそれで終わりだった。こちらも「お話につきあう」程度の心構えだったので、当然である。どちらも鬼籍に入ってしまい、もう後の祭り。取り返しがつかない。いかに貴重な機会を失ったかを今さらながら思い知る。 子どもとして空襲の被害に遭ったなどの「戦争体験」を語れる世代はまだ残っているが、保阪正康が書で書いているとおり、2015年現在、戦場を体験した人は90代以上ということになり、 戦後七十年という節目の年、実際の戦場体験は今では語れる人がいなく

    保阪正康『戦場体験者 沈黙の記録』 - 紙屋研究所
    haruhiwai18
    haruhiwai18 2015/08/19
    "戦後の日本では戦場体験の中でもとりわけ、残虐行為――あえてこの呼び方を使わせてもらえば、「加害体験」をうまく語り、受け止める基盤が脆弱" →特異な加害(への抗命)体験としては、http://bit.ly/1TSNHUFがある(こなみ
  • 質問の緊張感 - 紙屋研究所

    志位和夫の党首討論が話題になっているが、元官僚だった松井孝治(慶応大教授、元民主党議員)のフェイスブックの投稿が面白かった。 https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1630450053835851&id=100006126152789 興味深かったのは党首討論の内容もさることながら、質問通告をうけての議員と当局側の駆け引きの緊張感について松井の投稿が触れていることだ。 松井の投稿を読むと、党首討論は普通の質問と違って、かなり粗い質問通告が許されている。「クイズ質問」といわれないように、ポツダム宣言という、戦後認識の根幹にかかわり、しかも非常に短い重要文書への認識を問うという戦略をとった志位のやり方を、うまくやりやがったなあと評価しているのである。 このあたりは志位氏のうまいところで、戦後レジームからの脱却を唱える総理が、ポツダム

    質問の緊張感 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2015/05/21
    "一人の職員が「それで先生、質問原稿の方はいつもらえますか」と言ったので、その共産党議員は「は?」とびっくりしたという。同席していた同僚職員があわてて「バカ、ここの先生は違うんだよ」" →爆笑!w
  • 松竹伸幸『慰安婦問題をこれで終わらせる。』 - 紙屋研究所

    このはひとことでいえば、慰安婦問題についての左翼による韓国批判である。日の右派がやる韓国批判では何の新鮮味もないだろうが、左翼、しかも「日帝国主義の植民地支配」と厳しく闘争してきた日共産党の元政策スタッフ(現在は退職している)がやる韓国批判なのだから、一度はのぞいてみたいと思わない方がおかしい。 シロウトの日国民にとっての慰安婦問題 いわゆる「慰安婦」問題は、「難しい」というのが第一印象である。定義やカテゴライズをよく知らないと発言できないような雰囲気がある。 たとえば 政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった という命題は正しいだろうか、正しくないだろうか。 「正しくない」が正解である。 なぜなら、インドネシアのジャワ島でのいわゆるスマラン事件中国・桂林での事件では、日側の公文書はなかったが、外国側の公文書(バタビア臨

    松竹伸幸『慰安婦問題をこれで終わらせる。』 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2015/05/05
    "「強制連行」は長年国家やそれに準ずるものが組織的・制度的に連れ去ってきたニュアンスが" →"狭義の強制連行"は、http://bit.ly/1qQEGXfhttp://bit.ly/1vauyBgなどを参照。/松竹の『帝国の慰安婦』評が気になる(悪い予感が(ry
  • ドイッチャー『スターリン 政治的伝記』 - 紙屋研究所

    ぼくがぼくにインタビューしてみた。 ――この、なんで読んだんですか? これ買ったの、20代のころだったかなあ…。だから十数年、「積ん読」状態だったんだよね。字がみっちりだし、過去のこういうロシア革命史を読んでいると、名前と人物関係を追っているだけで疲れちゃう印象があって、「ええっと、時間と気持ちに余裕があるときに読みますね…」てな感じで自分に言い訳して、読んでなかった。 ところが最近、不破哲三の「スターリン秘史」の連載が「前衛」で始まったのね。これが面白いんだわ。 とくに独ソ戦って、あらためてスゲエ勝利だったんだと気づかされた。 日共産党の綱領には、ソ連批判の後にも、ずっと反ファシズム戦争としての第二次世界大戦におけるソ連の貢献を記述してあったんだけど、なんでそんなものをいつまでも書いているのかわかんなかったよね。だけど、不破のやこのドイッチャーのを読んで、いかにドラマチックな反転

    ドイッチャー『スターリン 政治的伝記』 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2015/03/14
    "マルクス主義を、取り扱いが容易で、うそのように能率の高い、精神労働節約機械として愛用した。この機械を使えば…別の思想をやっつけるにはあのボタンを押せば十分だった" →アンチョコ(教条)主義w
  • 『犯罪社会学研究』第38号 - 紙屋研究所

    保育園がいっしょだった親御さんと話していて、また地域で不審者情報が出たというので不安がっていた。その前日、ぼくはある学習会の講師で「犯罪は激減しています」としゃべっていたのであるが、その親御さんの意見をふんふんとうなずいて聞いていた。 そういう話をしていたら福岡県で女子小学生が殺害され、この文書を書いている最中に和歌山県で男子小学生が殺された。「数十秒目を離したスキに…」「自宅のすぐそばで…」と報じられるので、うちのつれあいとかはもう四六時中娘に張り付いてないといけないかのような思いにとらわれている。 日中、そして先進国で犯罪は減っている 福岡市では犯罪が減っている。2002年をピークにして半分くらいに減っている。 日全国で同じような傾向をたどっている。 さらにいうと先進国全体で犯罪は減っている。 最初にそのことを知ったのは2013年7月3日の英誌「エコノミスト」の記事だった。それで関

    『犯罪社会学研究』第38号 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2015/02/08
    "日本で検挙人員に占める女性の割合は、昭和時代には8%、その20%に上昇し、その後はずっと2割で推移しているという。""8割は男ってことか" →誰かが、『犯罪は男性が八割(inジャパン)』という本を書くべき(違
  • 渡辺輝人『ワタミの初任給はなぜ日銀より高いのか?』 - 紙屋研究所

    あなたは残業代の計算ができるか このを読んで一番驚いたことは、自分がまともに残業代の計算方法を知らなかったことである。残業代の計算は、実は複雑なのだ。 この複雑さが労働者による残業代請求が困難になっている事情の一つだと考えられますが、今まで一般向けにきちんと解説したがあまりありませんでした。(p.17) サラリーマン向けに、残業代の計算方法を丁寧にしたもほとんど見あたらないのです。これは日の労働者にとって当に不幸なことだと思います。(p.124) えっ、そんなことないだろ、って思うんだけど、どうもそうではないらしい。詳しく調べたわけでもないが、確かにぼくの持っている解説書類にも詳しい計算方法は書いていない。書によれば労働法のスタンダードな教科書にも、残業代計算の基礎となる時給の割り出し方については詳細が書いていないそうである。 ぼく自身がいろんな人の問い合わせに答えたりするとき

    渡辺輝人『ワタミの初任給はなぜ日銀より高いのか?』 - 紙屋研究所
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    haruhiwai18 2014/12/28
    "固定残業代""「残業代バブル」などと揶揄されようとも、若い人たちが残業代を請求しようとする動きを見せているのは実に頼もしい社会進歩の方向だと言わねばならない" →「残業代」から日本を動かす!w(悪くないw)