天皇陛下の退位に向けた特例法が、6月9日に成立し、およそ200年ぶりに天皇の退位が実現することになりました。これまでの議論で退位の是非とともに大きな論点となったのが「あるべき天皇像」です。天皇とはどのような存在なのか、これまでの歴史を振り返りながら検証するとともに、皇族の数が減る中、天皇制をどのように維持していくのかなど今後の課題について専門家の見解を整理しました。(政治部・長谷川実記者) そもそも天皇は、どのような役割を担っているのでしょうか。憲法には、「この憲法の定める国事に関する行為のみを行う」とありますが、それ以外については専門家の中にもさまざまな意見があります。 天皇陛下の退位を検討した政府の有識者会議では、検討項目の最初に置いて専門家からのヒアリングを行いましたが、立場は2つに分かれました。 一方は、被災地のお見舞いや各種の行事のご出席など、象徴としての地位に基づくお務めを積極