10月20日から28日までスロベニアで開催された第66回国際捕鯨委員会本会議の模様については、期間中ツイッターでお伝えしてきたとおり。
10月20日から28日までスロベニアで開催された第66回国際捕鯨委員会本会議の模様については、期間中ツイッターでお伝えしてきたとおり。
和歌山県選出の自民党参議院議員である鶴保庸介氏は、太地を地元に抱えるだけあって、捕鯨族議員の中でも最も活躍してきた〝族議員中の族議員〟のお1人といえます。 あたかもシーシェパードと張り合うかのような彼の過激な見解については、当ブログでも幾度か紹介してきたとおり。 この7月の参議院で4回目の当選を果たした鶴保氏は、今回の第3次安倍第2次改造内閣で初入閣、内閣府特命担当大臣 (沖縄及び北方対策、クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策担当)に。 その鶴保氏、大臣就任早々、とんでもない発言で世間を賑わしました。 ■「消化できないものお口に」 鶴保沖縄相、予算の減額示唆 (8/5,琉球新報) http://ryukyushimpo.jp/news/entry-329681.html ■安倍政権 「基地と振興リンク」方針 県民の批判必至 (8/5,毎日) http://mainich
国際司法裁判所(ICJ)の判決によって南極海調査捕鯨が1年中断し、昨シーズン装いも新たにNEWREP-Aとして再開されてから、初めて開かれる本会議でもあります。
ここ半月余り、TVは連日のように豊洲・五輪施設関連報道に明け暮れ、視聴者の身としてはいささか食傷気味。 確かに、築地市場移転問題は食・漁業に直結することで決して疎かにはできません。振り回される市場関係者が本当にお気の毒ですし、東京都は移転の遅延に伴って発生した損害について、真摯に補償等の対応に努めるのがスジでしょう。そして、どのような形であれ、うやむやな説明でごまかしたり、強弁で押し切るのでなく、市場関係者や消費者が完全に納得のいく形で決着が図られるべきです。 それにしても、莫大な税金を使ってすでに施設が完成し、いよいよ引越しという間際になってからでは、あまりにも騒ぐのが遅すぎないでしょうか? 五輪施設も同様ですが。 移転の是非、五輪招致の是非をめぐる当時の報道の質・量に比べ、〝小池劇場〟に注がれるエネルギーの膨大さには、ある種の違和感を禁じ得ません。「この間一体何をやっていたのか!?」と
「日米開戦は謀略だった、日本は罠にはめられた」 「南京大虐殺や慰安婦強制はなかった。欧米だってやっただろ」 「植民地主義の欧米と違い、日本の戦争は侵略じゃない、アジア解放という〝正義〟のための戦争だ」 「捕鯨モラトリアムはベトナム戦争隠しの謀略だった。日本は罠にはめられた」 「日本はクジラの乱獲も密猟・密輸もしていない。乱獲したのは欧米だろ」 「鯨油目当ての欧米と違い、日本の捕鯨は乱獲じゃない、伝統食文化のための〝正義〟の捕鯨だ」 「よその国の謀略」のせいにしたり、過去を正視せず事実をねじ曲げ美化したり、都合のいい相対主義を持ち込んで自己正当化したり。 いつも思うのですが、右翼(ネトウヨ)と反反捕鯨の思考回路って、実にきれいにシンクロしてますよね。層がほとんど重なっているのだから、当然っちゃ当然ですけど・・。 もうひとつ、しばしば持ち出される共通の主張が、将来の捕鯨/軍備を正当化する「(食
今回はアイヌの捕鯨について徹底的に検証してみたいと思います。といっても、現在もなお続いている太地や南極海での捕鯨と異なる視点で。主なソースは以下。 ①アイヌ民族クジラ利用文化の足跡をたどる(岩崎,'02)|北海学園大学人文論集21 http://hokuga.hgu.jp/dspace/handle/123456789/1351 ②アイヌの捕鯨文化(児島,'10)|神奈川大学 http://icfcs.kanagawa-u.ac.jp/publication/ovubsq00000012h5-att/report_02_008.pdf ③アイヌの鯨類認識と捕獲鯨種(宇仁,'12)|北海道民族学#8 http://www.h6.dion.ne.jp/~unisan/files/ainu_whaling.pdf 北海学園大学の文化人類学者・岩崎・グッドマン・まさみ氏は、以前当ブログで取り上げた
おかげさまで、そこそこ大きな反響をいただいております。情報拡散・共有に努めてくれたフォロワーの皆様に改めて多謝m(_ _)m いや~、ほんとにね・・私も含め、長年捕鯨問題に関わってきた人たちは、耳タコの陰謀論にホトホトうんざりさせられてきたもので。 今回、竜田揚げ監督が「見て見て! ついに尻尾を掴んだよ! これこそ大国アメリカの陰謀の証拠が記された〝THE・極秘文書〟だぞ!! エッヘン♪」とやってくれちゃったおかげで、ひとつ肩の荷が下りました。本当に感謝しております、ハイ。 詳細は上掲の2つのまとめをご参照。 はたして、捕鯨サークルと八木監督とのパイプがどの程度のものか──インタビュー記事の中で水産庁にマスコミへの告知のアドバイスをもらったと明言していたり(監督が正直な方なので本当に助かってます!)、梅崎氏が会長を務める水産ジャーナリストの会で試写会の手配がなされたことを考慮すれば、パトロ
前回の記事で《クジラの季節》についてお話ししましたが、同様にイルカにもやはり《季節》があります。 〝地産地消〟〝旬〟という大切な伝統がすっかり崩壊してしまったこの国の捕鯨・鯨肉食と異なり、《イルカの季節》は実際に太地でイルカ追い込み猟が行われる9月~2月にかけてのシーズンを指します。 もっとも、太地の関係者にとっては残念なことに、こちらも政治的なニュアンスを抜きには語れなくなりましたが。 全国の農村では、豊作・・というより、天候に左右されがちな収穫物が少しでも一定以上確保できるように、もっと言えば飢饉に見舞われることがないようにと、地区をあげて多大なエネルギーを費やし、祭事が執り行われてきました。そうした伝統行事を数百年の間絶やすことなく続けてきた人々は、それが本当に豊作のための〝不可欠な手続き〟だと信じ込んでいたわけです。自然に逆らい収量の確保を目指す農業の近代化に伴い、今では伝統的な食
◇元産経記者木村正人氏もやっぱりトホホ反反捕鯨ジャーナリスト ■安倍政権が総力戦で臨んだクジラ裁判の行方|木村正人 (8/26,YAHOO!ニュース) http://bylines.news.yahoo.co.jp/kimuramasato/20130826-00027574/ ICJ(国際司法裁判所)での調査捕鯨裁判の口頭弁論が幕を閉じて一月。マスコミの関連報道もしばらくありませんでしたが、ここへ来て突然「クジラ裁判ネタ」が復活。世間的にはもう旬を過ぎた話題といえますが、一ヶ月以上もかかって書いたにしては、残念ながらたいした分析もない、間違いだらけのトホホな内容でした。 木村氏が冒頭で張った思わせぶりな伏線についての解説は後回しにするとして、同記事のトホホぶりについて徹底的に解説しておきましょう。 「エース投入」と題した節の最初には、(日本政府関係筋)とするコメントが2つ出てきます。事情
◇捕鯨ニッポン、最悪のドツボにはまる!?──ICJ完敗が外交にもたらす深刻な影響 おかげさまで、前回の記事へのアクセスが掲載後1日で1万アクセスを突破しました。やはり、調査捕鯨国際裁判に対する皆さんの関心はそれだけ高いようです。 マスコミ記者の方も、判決文中の例の箇所に着目してくれました。タイトルはちょっと変ですが(国際社会を前に建前を貫かれるのも困るし・・)、外国人技能実習制度の問題も例に挙げ、よくまとまっています。アナログ版でも掲載してほしいところ。 ■調査捕鯨のオウンゴール 建前を貫く覚悟が大切 (4/13,日経) http://www.nikkei.com/article/DGXNZO69790750S4A410C1TY7000/?dg=1 日本政府も科学的調査を目的に掲げて調査捕鯨を実施してきた。だが本川長官の発言では別の目的がはっきりしている。本音と建前に当てはめるなら、科学的
実に驚くべきニュースが飛び込んできました。 記事が掲載されたのはオーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド(SMH)紙。書いたのは捕鯨問題に詳しいジャーナリスト、アンドリュー・ダービー氏。 「日本が突然、捕鯨に関して国際司法裁判所(ICJ)で異議を挟まれることに対し、予防線を張った」というのです。 具体的に言うと、ICJの管轄権に関する国連への宣言の中で、「海洋生物資源の調査、保全、管理ないし開発に関わるすべての紛争」について、ICJでの応訴義務を負わないという一文を新たに付け加えた、と。 強制管轄受諾宣言については、以下のICJ判決前の拙記事をご参照。
今回の一連の騒動、テレビのニュースしか見てない人は、まるで突然振って湧いたかみたいに、1週間の期限を切られて二者択一を押し付けられたかの印象を持った方が多いでしょう。 しかし、そもそも10年も前の2005年、WAZAは倫理・動物福祉規定を明確に定めており(決議はさらにその1年前)、イルカの捕獲に関してもあくまでその指針に則るよう、日本に対して求め続けてきたわけです。 採集に関するものではありませんが、和訳版のある倫理指針(下掲リンク3番目)に目を通せば、「社会が求める動物園・水族館の役割とは何か」、また「それが時代によってどう変化してきたか」をつかみ取ることができるでしょう。 以下は「動物園・水族館による動物研究の実施に関する倫理指針」からの引用(背景着色部分) したがって、動物園・水族館で研究する国内の研究者にとっては、「動物の愛護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)、所属機関が規定
捕鯨・イルカ猟、水族館問題だけでも十分頭が痛いのに、最近は駆除の話ばっかり聞かされてうんざり気味(--;; そんな中、またしても厄介な問題が浮上。。 といっても、問題が起きているのは捕鯨ニッポンではなく、海洋環境保全・野生動物保護・動物福祉・持続的水産業で日本の上を行く〝クジラの味方〟のハズのオーストラリア──。 ■猫200万匹を殺処分へ オーストラリアで何が起きた? (7/21,ハフィントンポスト日本語版) http://www.huffingtonpost.jp/2015/07/21/australia-government-two-million-feral-felines_n_7837602.html ■The war on feral cats begins (7/16,豪ABCニュース) ① http://www.abc.net.au/am/content/2015/s4274
みなさんは〝クジラの季節〟ってご存じですか? 鯨肉の旬? いえいえ。 国際司法裁判所(ICJ)での調査捕鯨裁判敗訴のA級戦犯ながら、国民をまんまとだまくらかした功績を買われて(?)事務次官にめでたく昇進した本川一善氏は、水産庁長官時代の2010年に国会で堂々と「ミンククジラの刺身は美味いし香りもいい!」とのたまったわけですが、彼ら霞ヶ関や永田町の連中が高級料亭でつつく刺身鯨肉は、季節が反対のはるか南極の海で捕って冷凍庫に放り込んでたもので、旬もへったくれもありゃしません。 捕鯨問題ウォッチャーの間で使われる〝クジラの季節〟といえば、主に6月前後に開かれる国際捕鯨委員会(IWC)年次会合の時期と、日本が南極海に調査捕鯨船団を送り込み、反捕鯨団体シーシェパード(SSCS)とすったもんだする冬のこと。 もっとも、IWC総会は、(日本のネトウヨ以外の)誰もが毎年のお祭り騒ぎをバカバカしく感じ始めた
◇反反捕鯨のつくり方 ■戦争はつくられる|爆笑問題のニッポンの教養 (10/27,NHK) http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20091027.html 今回はなかなか面白かったです。田母神教信者から反反捕鯨ウヨガキ君までアッチよりのヒトたち、同レベルの愛(捕)鯨ナショナリスト・NHKディレクター谷口雅一氏や秋道智彌氏などが番組を見ていたら激昂して、例の台湾併合ドキュメンタリーと同じように苦情が殺到しかねないかも・・・ アルカイダにはKAMIKAZE特攻のお手本を、同じくアメリカに対しても対テロ掃討というこじつけ的な戦争の口実のモデルを提供した捕鯨ニッポン。筆者は、たまたま歴史のめぐり合わせで日本が先行しただけ(民族の性向も含め)で、人類共通の課題だと思ってますが・・。 番組の最後で、「“次の戦争”に突き動かすものは何か?」というきわどい議論にまで
◇伝統産業を政治力でねじ伏せる捕鯨の町・太地のやり方はまるで原発推進電力会社 ■イルカ漁の太地町、海洋公園をオープンへ (10/7,AFP) http://www.afpbb.com/articles/-/3001001 ■クジラ牧場 計画中 和歌山・太地町で世界初 (10/5,東京) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013100502000233.html ■第2回・第3回鯨の海構想検討委員会議事録概要|美熊野政経塾 http://park.geocities.yahoo.co.jp/gl/mikumanoseikeijuku ■鯨の海構想|(〃) http://park.geocities.yahoo.co.jp/gl/mikumanoseikeijuku/view/20120328 ■第1回 鯨の海構想検討委員会
スロベニアで開かれているIWC(国際捕鯨委員会)総会を取り上げた、9/17のNHK「ニュースウォッチ9」の特集の中で、度肝を抜く解説が。 視聴者の目に飛び込んできたのは、画面いっぱいにまでデカデカと書かれた「ニュージーランド真のねらい 日本の国際イメージ悪化」のキャプション──。 さて、同じ太平洋の島国として、報道の自由度をはじめ民主主義の各種指標で高く評価され、非核の道を貫き、地震の痛みをともに分かち合う、かけがえのない友好国であるはずのNZと同国市民に、思いっきり拳を振り上げてケンカをふっかけたNHKの真意は何なのでしょう?? この間、NHKをはじめとする日本のメディアは、同国提出の決議を「先延ばし」を狙ったものだと盛んに報じてきました。大本営の指示どおりに。しかし、実際にはその内容は、単なる先延ばしを目的としたものではありません。調査捕鯨の計画審査にあたり、その妥当性について、科学委
◇JARPAⅡレビューに見る調査捕鯨の非科学性──IWC科学委で長年ツッコまれ続け、ICJにダメ押しくらったトホホな実態 国際司法裁判所(ICJ)で日本の南極海調査捕鯨を国際条約違反と認定した判決が出た後、サイエンス4月号で同判決の影響等を論じた1ページの特集が組まれました。 理研小保方氏のコピペ論文と同様、鯨研発論文の掲載を拒んだ権威ある国際科学誌ですが、法の最高権威たる国連の司法機関から調査捕鯨の科学性が〝酷評〟されたことについて、科学者の論評をまとめています。 ■[ENVIRONMENTAL POLICY] Court Slams Japan's Scientific Whaling http://www.sciencemagazinedigital.org/sciencemagazine/20140404C?pg=22#pg22 「ICJの判決は、我々研究者の多くがIWCで唱えてき
■アイヌ国会決議:懇談会参加めぐり、駆け引き (6/7,毎日北海道版) http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20080607hog00m010005000c.html (リンク切れ) http://blog.goo.ne.jp/ainunews/e/dfc5c42b0e5d7f8fe5c7298372b9539b 日本政府は、アイヌを先住民族と認めることをやっと"一応"公式に表明しました。昨年からの国際先住民年は既に第二次であり、21世紀に入ってからというあまりに遅すぎる決断といえますが、なおも灰色の部分が残っているようです。土地や漁業権の返還問題が絡むため、「先住民の"国際的な定義"とは必ずしも同じでない」との言い回しを使っているのです。他の先進国だって、"先住民以外の民族"の不利益を承知の上で、なお固有の権利を認めているわけですから、日本の特
■再開を信じて (6/4,読売夕) http://www.yomiuri.co.jp/zoomup/zo_080604_01.htm 巨大なカラー写真を散りばめたIWC前の〝一面全面広告〟。掲載紙が企画とスポンサーを買って出た、一種のタイアップ広告とでもいうのでしょうか・・。納税者・消費者に代わり、チェック機能を担う正しいマスコミとして、官業の癒着などの視点からも捕鯨問題を扱い始めた他紙と違い、読売はもう確信犯ですね。 最近は読者を奪われ始めたネットへの対抗策なのか、文字サイズを拡大した同紙。記事の取捨選択が一段と恣意的になっただけの気もしますが・・。写真スペースを確保するために文章を削いだにしても、こうした公平性を著しく記事は、新聞の公共性・信頼性を大きく損ねるものでしかありません。それにしても、このほとんど内容のない記事一つだけで、ツッコミどころが満載です。 その1.「国際捕鯨委員会は
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