ブックマーク / roumuya.hatenablog.com (26)

  • 労働市場改革を加速する鍵 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    日経新聞は先週の金曜日(8/23)から今日にかけて、「経済教室」欄で「労働市場改革 加速できるか」の特集を上中下3回にわたって掲載しています。登場されたのは昭和女子大の八代尚宏先生、早大の大湾秀雄先生、日大の安藤至大先生という錚々たる顔ぶれです。「加速できるか」というお題については、私はこのブログでも何度か書いたかと思いますが、なにをやるにしてもゆっくりやれ、労使・労働市場が対応できるよう激変を避けて進めることが最重要というスタンスなので、まあねえという感じなのですが。 さて初回の八代尚宏先生の論考には「雇用慣行の成功体験 脱却を」との見出しがつけられています。前半部分は過去の経緯と現状の整理で、日社会の雇用慣行は高度成長期に成立し、企業グループ内の高い流動性を生かして企業グループ内での衰退分野から成長分野への移動を実現して大成功をおさめたが、現在ではむしろ「成功体験が必要な改革を困難に

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  • 高崎美佐『就活からの学習』 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    お茶の水女子大の高崎美佐先生から、ご著書『就活からの学習-大学生のキャリア探索と初期キャリア形成の実証研究』をご恵投いただきました。ありがとうございます。 就活からの学習: 大学生のキャリア探索と初期キャリア形成の実証研究 作者:高崎 美佐中央経済グループパブリッシングAmazon就職氷河期以降、若年非正規や若年無業が社会問題となり、今世紀のはじめ以降、就職活動の成否がその後の人生を大きく左右するという問題意識が広がりました。それからすでに20年以上が経過する中で、就活の成否がどれほどその後のキャリアの成否につながっているのか、という観点から、現状の確認と実証的な検証に取り組んだということのようです。就活の成否がキャリアのすべてではないというポジティブな展望が示されたとのことで、楽しみに勉強させていただきたいと思います。

    高崎美佐『就活からの学習』 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)
  • 非正規雇用、このままでいいのか - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    日経新聞朝刊の「経済教室」の「非正規雇用、このままでいいのか」という3回シリーズが日完結しましたので、若干の感想など書いていきたいと思います。一昨日の(上)は小野浩・一橋大学教授で、「正規への保護 見直し不可避」との見出しがついています。 前半の3分の2くらいは非正規雇用をめぐる経緯と現状の解説と問題点の整理にあてられており、バランスのとれたわかりやすい説明になっています。続いて政策提案になるのですが、 正規対非正規の格差を是正するには、正規を解雇しやすくする環境と法制度の見直しが必要だ。企業が正規採用をためらうのは解雇が難しいからだ。労働市場の流動性が高まれば、正規は採用しやすくなり非正規の需要は低くなるだろう。 同様に正規の労働条件をより柔軟にすることが必要だ。この点は改善に向かっている企業が多いが、正規雇用にはいまだに出勤、8時間労働を前提とした働き方が多い。非正規に就く人は柔軟で

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  • 「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    10月4日に開催された「新しい資主義実現会議」で、10月末にまとめる総合経済対策にむけた重点施策の取りまとめが行われたようです。 政府は4日、「新しい資主義実現会議」(議長・岸田文雄首相)を開き、10月末にまとめる総合経済対策にむけた重点施策を取りまとめた。人への投資を重視し、リスキリング(学び直し)や労働移動を円滑にする支援策を並べた。来春の賃金交渉にむけて首相は「物価上昇をカバーする賃上げを目標にし、個々の企業の実情に応じ労使で議論いただきたい」と求めた。 総合経済対策をめぐり首相は「新しい資主義」の実現が柱になるとの意向を表明していた。 … 成長分野への労働移動をめぐっては23年6月までに具体策をまとめた指針をつくる。一般の転職希望者に対し、民間の専門家が転職実現まで丁寧に支援する仕組みの整備や、年功序列的な賃金体系からジョブ型の職務給への移行促進を盛り込む。 https://

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  • 今年の10冊 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    年の瀬も押し迫りまして今年も恒例のこれを。相変わらずというかいつにも増してというか(笑)雑多というか脈絡のない代物になっておりますが勝手選書なのでそのようにご了解を、ということで例年どおり1著者1冊・著者名50音順となっております。 いっくん『数学クラスタが集まって気で大喜利してみた』 数学クラスタが集まって気で大喜利してみた 作者:数学を愛する会 会長 いっくんKADOKAWAAmazon 著者は数学を愛する会会長で早稲田大学の学生さんとか。twitter上で「ケーキを三等分せよ」「ハートのグラフを描け」「1=2を証明せよ」などの「お題」を提示し、それに対して数学クラスタの面々がより面白い、エレガントな解答を競い合う「大喜利」をやっていて、それをまとめたということです。まあ正直なところ文系の私にはまったくお手上げの領域もあるのですが(笑)、しかし感心させられる解答も多々提示されてい

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  • 「ジョブ型」でなにができるか・なにができないか - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    もう一月近く前の話になりますが、11月10日に開催された「中央大学ビジネススクールワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクト」成果報告会に参加してまいりました。例年同様に非常に充実した内容で有意義だったのですが、今回は特に思いがけずきわめて貴重な知見をいくつか得ることができました。 そのひとつが富士通の人事の方から同社の人事制度改革についてのお話を聞けたことで、資料が以下で公開されているのでぜひご覧いただければと思います。話の中心はテレワークとオフィス改革であってジョブ型がメインではなかったのですが、これまで同社や日立製作所さんのいわゆる「ジョブ型」人事制度についてはその背景やコンセプトはたびたび報じられてきましたが、その具体的な内容についてはほとんど情報がなかったので、今回のこの報告はたいへん貴重なものだったわけです。 そこで富士通さんの報告資料をもとに、いわゆる「ジョブ型」

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  • ジョブ型@日経経済教室 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    日経新聞の「経済教室」では、先週木曜日から「ジョブ型雇用と日社会」を3回の連載で取り上げられています。登場したのは太田肇先生(12/3)、神林龍先生(12/4)、田由紀先生(12/7)のお三方ですね。あれこれと議論が混乱している感のある「ジョブ型」論議ですが、これを読むとだいぶ整理されてきた感じです。 まず最重要なのは神林先生のこのご指摘でしょう。 …もともとジョブ型雇用という言葉は、労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎労働政策研究所長の著作で、いわゆる日的雇用慣行を「メンバーシップ型雇用」と呼び直し、その背反として定義されることで広まったと筆者は理解する。従ってジョブ型雇用は、日的雇用慣行ではないものすべてを含んでおり、論者により意味が異なる。 これが議論を複雑怪奇なものにしているわけです。日的雇用慣行とは違う、自分が推したい雇用管理を「日的雇用慣行ではない」から「ジョブ型」だ

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  • 八代尚宏『働き方改革の経済学』 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    八代尚宏先生から、最近著『働き方改革の経済学−少子高齢化社会の人事管理』をご恵投いただきました。ありがとうございます。 働き方改革の経済学 作者: 八代尚宏出版社/メーカー: 日評論社発売日: 2017/09/20メディア: 単行この商品を含むブログ (3件) を見るわが国の労働市場や人事管理の実情を正しくふまえ、「働き方改革」の課題とされているものの基はわが国の「正規労働問題」であること、そしてそれを相当程度温存したままでの「働き方改革」には限界があることを経済学的な考え方のもとに的確に論じ、さらに求められる改革の方向性を提示したです。 例によって時折極論に振れる部分もあり、ついていけない議論や余計なお世話という感想もあるのですが(しかし最近の何冊かに較べると少ない)、それも含めて八代先生らしい好著といえるのではないでしょうか。 個人的には、結局のところことの大半は終章「人事制度

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  • 稲葉振一郎『AI時代の労働の哲学』 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    『キャリアデザインマガジン』12月号(通巻145号)に寄稿した書評を転載します。内閣府の「人間中心のAI社会原則」は(タイトルどおり)「AIは道具」と断言していますし、最近人工知能学会などが発表した「機械学習と公平性に関する声明」も「機械学習は道具にすぎません」と言い切っているわけですが、しかし現実には「人でも物でもないAI」といったものが登場しないという保証もありません。想像をたくましくすれば、選挙以外の方法で指導者が選ばれている一党独裁国家なんかだと一定以上の国家指導者層が軒並みAIになってもあまり違和感なく世間は動くのではないかなどと妄想しなくもない(当に人間並みAIができて選挙権を持つようになれば選挙で選んでもそうなるかも?)。 なお書では「人でも物でもないAI」を考える補助線として動物倫理学が参照されており、私は動物倫理学については「まあクジラやイルカは人間と同じだと考える人

    稲葉振一郎『AI時代の労働の哲学』 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)
    harumanachika
    harumanachika 2020/08/03
    “一党独裁国家なんかだと一定以上の国家指導者層が軒並みAIになってもあまり違和感なく世間は動くのではないか”
  • 「hamachan先生の知的熟練論批判」批判 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    小池和男先生が逝去されました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。 それを機にhamachan先生がブログで「日型雇用システム論と小池理論の評価(再掲)」と題して、かつての「小池ファンは小池理論を全く逆に取り違えている件」というエントリを再ポストされていますので、まあタイトルには批判と書きましたがそこまでのものでもなく、若干の感想を書きたいと思います。小池先生の諸著作に当たり直すほどの時間は現実的にありませんので多分に記憶に頼った議論になることはご容赦願えればと思います。 さて、小池先生の所論が一貫して(「欧米型は実は日型と同じなんだ」とまで端的にいえるかどうかは別として)「日型とされるものは決して日独自のものではなく欧米でもふつうにみられるもの」というものであったことには私も同感です。それが(hamachan先生も慎重にカギ括弧をつけられているように)「常識はずれ」の理論であったか

    「hamachan先生の知的熟練論批判」批判 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)
    harumanachika
    harumanachika 2019/06/28
    “19)”
  • ハマキョウレックス事件・長澤運輸事件最高裁判決 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    注目の2事件の最高裁判決が出ました。 正社員と非正規社員の待遇格差が、労働契約法が禁じる「不合理な格差」に当たるかが争われた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(山庸幸裁判長)は1日、「不合理か否かの判断は賃金総額の比較のみではなく、賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきだ」との初判断を示した。そのうえで、契約社員による訴訟で5種類の手当の格差を不合理と認める一方、定年後の嘱託社員による訴訟では近く年金が支給される事情などから大半の請求を棄却した。 … 最高裁は不合理性の判断に当たり、労使交渉の経過や経営判断、定年後再雇用などの事情も考慮要素となるとの枠組みを示した。 その上で、浜松市の物流会社「ハマキョウレックス」の契約社員が6種類の手当の格差是正を求めた訴訟では、4種類の手当の格差を不合理と認定した2審・大阪高裁判決を支持。正社員に支給される皆勤手当も「出勤者を確保する必要性は非正規

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  • 冨山和彦氏 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    私のツイッターのタイムラインに流れてきたので読売教育ネットワークの「異見交論43 国立大への税金投下に「正当性なし」冨山和彦氏(経営共創基盤 代表取締役CEO)」という記事(http://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/jitsuryoku/iken/contents/43-ceo.php)を読んでみましたよ。ちょうどHRmicsの大学教育改革特集を読んだばかりで、結論的には似ていなくもありませんでしたので(立論としてはHRmicsのほうがはるかにしっかりしているわけではありますが)。 でまあこれは編集した記者の問題もあるでしょうが、それにしてもここまで他人への蔑視と憎悪をむき出しにした文章を名前と顔写真入りで公開できるというのはすげえ神経だと思ったわけですがそれはそれとして、なんかいろいろと間違いがあるように思ったので重箱の隅をつつくようですがそれだけ書いてお

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  • 神津里季生『神津式労働問題のレッスン』 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    連合の神津会長の。書店で見かけて即決で買って読みました。 神津式労働問題のレッスン 作者: 神津里季生出版社/メーカー: 毎日新聞出版発売日: 2018/02/22メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る2章構成になっていて、もともとサンデー毎日に連載されたエッセイをまとめて書籍化する企画があったとのことでそれが第2章になっています。第1章では昨年9月末からの一連の出来事を中心に連合の立場・主張が記載されています。第2章のエッセイは35話あるのですが、「犬の立派さに較べて人間たちは」という基構造がほとんどに共通しているので、週1回1話読むならいいでしょうが、さすがにこれだけで一冊のにするのは無理としたもので、そういう意味でも第1章が置かれているのは必然という感じがします。 個人的見解とのことで、実際そうだろうなと思うところもあります(安倍総理に対する社労族としての評

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  • 最低賃金引き上げの是非 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    昨日、日の2日にわたり、日経新聞の「経済教室」で表題の特集が組まれました。登場されたのは昨日が日女子大の原ひろみ先生、日が拓殖大学の佐藤一磨先生です。 原先生の見出しは「職場外訓練、明らかに減少、技能形成機会の格差拡大」というものです。まず最低賃金引き上げの雇用への影響については「日でも川口大司・東大教授、森悠子・流通経済大准教授、山田憲・京大准教授らの研究で実証的に明らかにされている」と保留しつつ、しかし「人的資投資を減らすのなら、将来にわたり負の影響が持続することになる」という問題提起をされています。 その上で、ご自身の調査結果として「最低賃金労働者が相対的に多い中高卒の女性労働者」については、最低賃金を生活保護の整合性に配慮して決定するされた「改正最低賃金法成立以降(08年施行)、最低賃金の上昇率はそれ以前よりも平均的に上がり、かつ地域間で上昇率にばらつきが生じた。…改正法

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  • 稲葉振一郎『不平等との闘い』書評 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    「キャリアデザインマガジン」に掲載する書評を書きましたので、フライングですがこちらにも転載しておきます。 不平等との闘い ルソーからピケティまで ((文春新書)) 作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/05/20メディア: 新書この商品を含むブログ (25件) を見る 2014年12月に発売されたピケティ『21世紀の資』日語版は、728頁5,940円という大部にもかかわらず、発売後わずか4か月で16万部を売り上げるベストセラーとなった(全世界では優に100万部超を売り上げたという)。翌1月のピケティ来日の前後には、メディアが競ってこれを報じ、解説書・入門書の類が多数刊行され、ビジネス誌が相次いで特集を組むなど、空前のブームとなったことは記憶に新しい。このも、著者によれば「出し遅れの「便乗」」だということだ。 実際、『21世紀の資』をめぐっては、わが国で

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  • 一億総活躍プラン - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    ということでこの間「一億総活躍プラン」と「骨太の方針」が提示されたということで、各メディアが一斉に報じておりますな。 政府は18日まとめた「ニッポン一億総活躍プラン」と経済財政運営の基方針(骨太の方針)の素案で「名目国内総生産(GDP)600兆円」や財政健全化などの目標達成に向けた戦略を示した。少子高齢化から生じる人手不足に対応しない限り持続成長できないとの危機感がある。ただ雇用改革の抜策は見えず、財源確保の道筋も不透明だ。 一億プランは安倍政権発足3年目で息切れが見え始めたアベノミクスを再点火する「新三の矢」として出てきた。掲げた目標の割に、今回出てきた具体策は小粒だ。 柱となる働き方改革の目玉が「同一労働同一賃金」の実現だ。正規社員と非正規社員との賃金差を欧州諸国並みに縮めることを目指す。長時間労働の削減や保育所の整備を通じ、子育てと仕事の両立をしやすくする。 過去15年間で減っ

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  • 安藤至大先生の同一労働同一賃金解説 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    先週金曜日の日経新聞「経済教室」に、日大の安藤至大先生の論考が掲載されました。お題は「賃金格差を考える(上)「同一賃金」比較対象難しく 職務給に限定が妥当」となっており、(上)というからには少なくとも(下)はあるだろうということで今日の朝刊を楽しみにしていたところ休刊日だった件(笑)。 さて与太話はさておき内容はお題にあるとおり同一労働同一賃金に関するもので、これをこんにちのわが国の労働市場にあてはめた場合にどう考えればいいのか、きわめて適切かつコンパクトな解説になっていて非常に有益ですので、ぜひご一読をお勧めしたいと思います。 以下ポイントをご紹介していきますが、省略でわかりにくくなっている部分がありますので、ぜひオリジナルをご確認ください。 …「同一の仕事」をしている労働者間で賃金(労働力の価格)の違いがあるとすれば、理由はいくつか考えられる。 まず「同一の仕事」をしているようにみえて

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  • 大内伸哉先生の同一労働同一賃金批判 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    大内伸哉先生が、先生のブログ「アモーレと労働法」で同一労働同一賃金について論評しておられました。 …職務給制度の設計のためには,職務に関する横断的労働市場が成立することが必要でしょうが,それを政府がやるべきなのでしょうか。賃金は労使の交渉で決められるのが原則ではないでしょうか。横断的な労使関係を政府が構築するというのは,労使の領域への国家の介入というファシズム期の悪夢を想起させるものでしょうか(拙著『雇用改革の真実』を参照)。 同一労働同一賃金は,まともな法律家なら相手にしない原則です。人事管理上の目標としては望ましいことですが,これと法の規範の問題とを混同してはなりません。政府がグッド・プラクティスを広めるというなら,まだ許容できます(それもちょっと情けないことですが)が,それなら法律家よりも,優秀な経営者を集めて話を進めたほうがよいと思います。 格差を許容できる指針を設けるという話もあ

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  • 「混迷深まる同一労働同一賃金」フォロー - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    先週金曜日(25日)に第6回一億総活躍国民会議が開催されてまたしても大量の燃料が投下されましたのであれこれ書いていきたいと思います。まずは前回会合の議事要旨が公開されましたので、同一労働同一賃金を中心に前回のフォローを。議事要旨はこちらになります。 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/dai5/gijiyousi.pdf これをみると、まず水町先生のプレゼンがあり、その後は全員が一人2分という限られた持ち時間で一通り発言して、特段の議論などはなく首相がまとめて終了したということのようです。まあ1時間の会議の中で水町先生と13人の有識者議員(欠席2人除く)、石破・馳・森山の3大臣が発言したわけなので致し方のないところでしょう(ちなみに加藤大臣も司会だけで意見表明はありません)。もちろん議事要旨であって全文議事録ではないの

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  • 今年の10冊 - 労務屋ブログ(旧「吐息の日々」)

    年も年の瀬となりました、ということで毎年恒例のこれを。例によって著者名50音順で、紹介順に意味はありません。 NHKEテレ「オイコノミア」制作班・又吉直樹編『オイコノミア−ぼくらの希望の経済学』 オイコノミア ぼくらの希望の経済学 作者: NHK Eテレ「オイコノミア」制作班,又吉直樹(ピース)出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2014/03/20メディア: 単行この商品を含むブログ (3件) を見る申し上げるまでもなく、一部で大好評を博したEテレのシリーズの書籍版です。毎回たいへん面白く拝見させていただきましたので、テレビ番組と合わせ技ということで。 大内伸哉『雇用改革の真実』 雇用改革の真実 (日経プレミアシリーズ) 作者: 大内伸哉出版社/メーカー: 日経済新聞出版社発売日: 2014/05/09メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る大内先生は今年もまた

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