週末に家族であるいはカップルで出掛ける定番の場所といえば、ショッピングモールだ。買い物だけではなく食事やレジャーまで。まさにショッピングモールは日本人の生活に欠かせなくなった。一方で、「軽薄な大衆消費」と「コミュニティ荒廃」の「象徴」とされ、長らくまともに議論をされることがなかった。 しかし、ショッピングモールの乱立は止まらず、海外でも、あらゆる施設が「ショッピングモール的」につくられている。私たちは、ショッピングモールに何を求めているのか? 作家・思想家の東浩紀氏とフォトグラファー・ライターの大山顕氏の対談をまとめた『ショッピングモールから考える』(幻冬舎新書)の一部を抜粋し、ショッピングモールから、変貌する人間の欲望を読み取ろう。 新しいコミュニティ、新しい開放性、新しい普遍性 東浩紀(以下、東):まずは、なぜショッピングモールをテーマにしようと思ったのか。一言で言うと、「新しい公共性