財務省は10日、2015年度末の国債や借入金、政府短期証券などを合わせた「国の借金」の残高が1049兆3661億円だったと発表した。前年度に比べて3兆9911億円減った。国庫の資金繰りや円売り介入などに備えて発行する政府短期証券が減った影響で7年ぶりに減少に転じた。残高を今年4月1日時点の総務省の人口推計(
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伊勢志摩サミットが終了し、安倍晋三首相が消費増税の再延期を決めたと報じられている。実際に安倍首相がどのような判断を下すのかは予断なく見ていく必要があるが、消費増税再延期や事実上の凍結を決めると、増税を推進する勢力から必ず「消費税を上げなければ財政規律が保てない」という声が上がる。 この財政規律の話題について、2つの主張を報道でみかけることがある。ひとつは、2020年までに政府が基礎的財政収支(プライマリバランス:PB)を黒字化するという計画が達成されなくなるという指摘だ。もうひとつは、日本の財政赤字が1000兆円をはるかに超える規模であり、国民一人ひとりが膨大な借金を抱えていてその歯止めがかからなくなるという指摘である。 これら2点について、以下で批判的に検討を加えていこう。 PBの黒字化問題 まずPBの黒字化問題である。PBは簡単にいうと「税収マイナス政府支出」のことでしかない。この数字
消費税の10%への増税問題は、安倍総理が増税を2019年10月まで2年半延期し、噂されていた解散総選挙・衆参ダブル選は行わないことで決着しました。前回の延期の時に、再度の延期はないと総理が表明していたため、安倍政権への批判が起こっていて、民進党など野党は「アベノミクスの失敗」と批判しています。 しかし、消費税増税の延期は本当に「アベノミクスの失敗」なのでしょうか? そもそも、今回の消費税増税は、民主党の野田政権時代(2012年8月)に、民主、自民、公明の「三党合意」によって決まった「社会保障と税の一体改革」において、社会保障の財源を消費増税で確保するという方針の下に定められたものです。 その後、自民党では谷垣総裁が党内抗争で辞任に追い込まれ、安倍総裁が誕生しました。また、野田政権も2012年12月の総選挙で大敗し、自公連立の安倍政権が成立することになりました。安倍政権は金融政策、財政政策、
東京財団が消費税シミュレーションツールを公開し、やや炎上気味に話題になっている。指摘されている問題点の一つは、消費税率を動かしても成長率に影響しない点である。批判者はそれは現実的ではないと言い、擁護者はそもそもこのモデルにそうした動作を求めるのは蕎麦屋でラーメンを求めるが如く筋違いだと言う。 財政政策と実体経済とのフィードバック関係に関する最近の理論としては、本ブログでも何度か取り上げているデロング=サマーズの研究がある*1。東京財団のモデルはフリーソフトのRで動く上に、ソースが公開されているため、修正が可能となっている。そこで、取りあえず3/21エントリでデロング=サマーズを基に考えたような税率変更から実質成長率への影響を、quick and dirtyな形で取り込んでみた。 具体的には、prj_m_.rの「実質GDP成長率 伸長」のブロックを以下のように変更してみた(最後の2行が追加行
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財務省の官僚を中心とする増税派にとって、今回の消費増税の見送りは痛恨だった。その恨み節は「安倍首相が増税を明言していた。それなのに増税を見送るのは『公約違反』」という言葉で表された。 また先週2日の新聞各紙の社説を見れば、新聞社の恨みの深さもわかる。新聞は軽減税率を受けるので、消費増税は基本的に歓迎である。消費増税をしてもらわないと、軽減税率も受けられないから意味がない。だから、増税見送りを恨むのだ。 各紙の見出しを並べてみよう。 朝日「首相の会見 納得できぬ責任転嫁」 毎日「増税再延期表明 未来への責任はどこへ」 読売「消費増税延期 アベノミクスをどう補強する」 産経「消費増税の再延期 今度こそデフレ脱却を 社会保障への影響食い止めよ」 日経「参院選でアベノミクスに国民の審判を」 保守系は表現が穏やかであるが、いずれも増税見送りを評価しておらず、財政再建や社会保障のための
安倍首相は6月1日夕、来年4月に予定されていた消費増税を「2年半」先送りすることを表明した。平成32年(2019年)10月に現行の8%から10%に消費税率を引き上げることになるという。この再延期の理由は、1)海外経済の不安定性などリスク要因が無視できないこと、2)この世界経済リスクの下で「内需」を「腰折れさせかねない消費税率の引上げは延期すべきである。そう判断」した、と首相は述べている。 安倍首相の1日の記者会見は現状の安倍政権の経済政策のスタンスを考えるうえで非常に興味深い(全文及び動画はこちら)。まずいま要約したように、現状の日本経済が低迷しているという認識は、安倍首相のこの記者会見では“明示的には”見当たらないことだ。つまり先の5%から8%への引き上げによる消費低迷の継続など、日本経済の現状の「内需」の弱さの説明はない。代わって日本の雇用状況の改善(有効求人倍率の歴史的にみない改善、
財務省よ、まだ無茶な「国民洗脳」を続けるつもりか! 「増税しなければ国が滅ぶ」の大ウソを暴く 乗っかる新聞も同罪 新聞が増税延期に反対する情けない理由 財務省の官僚を中心とする増税派にとって、今回の消費増税の見送りは痛恨だった。その恨み節は「安倍首相が増税を明言していた。それなのに増税を見送るのは『公約違反』」という言葉で表された。 また先週2日の新聞各紙の社説を見れば、新聞社の恨みの深さもわかる。新聞は軽減税率を受けるので、消費増税は基本的に歓迎である。消費増税をしてもらわないと、軽減税率も受けられないから意味がない。だから、増税見送りを恨むのだ。 各紙の見出しを並べてみよう。 朝日「首相の会見 納得できぬ責任転嫁」 毎日「増税再延期表明 未来への責任はどこへ」 読売「消費増税延期 アベノミクスをどう補強する」 産経「消費増税の再延期 今度こそデフレ脱却を 社会保障への影響食い止めよ」
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