東京電力は30日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉を取り囲む格納容器内の気体を採取して分析した結果、放射性物質の濃度は原子炉建屋内の空気中の濃度とほぼ同じだったと発表した。 3月の炉心溶融後、原子炉の中心部に近い場所の気体を採取したのは初めてで、今後の廃炉処理に向けて原子炉内部の状況を把握する第一歩となる。 格納容器の内部とつながる細い配管2本を使って内部の気体を吸い出し、成分を分析。その結果、1立方センチ・メートル中の放射性セシウム137は2・0ベクレル、セシウム134は1・7ベクレルで、予想の約1万分の1だった。ヨウ素131は検出限界以下だった。 松本純一・原子力立地本部長代理は「セシウムの大半が水に溶け込んだか、格納容器の上部が破損して外の空気と変わらなくなった可能性などが考えられる。引き続き分析を進めたい」としている。