飯田哲也さんとの共著原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治にむけて (講談社現代新書)がまもなく出ます。 例によって、まえがきをアップロードいたします。 ------------------------------------------------------------- まえがき:「原発をどうするか」から「原発をやめられない社会をどうするか」へ 宮台真司 ■福島第一原発事故に関する議論には、技術的不合理に関するものとは別に、社会的不合理に関するものがあり得る。説明しよう。何が技術的に合理的かについて合意できたとしても事柄の半分にしかならない。なぜならこの日本社会は、技術的に合理的だと分かっていることを社会的に採用できないことで知られるからだ。その意味で「(今でも)原発をやめられない日本社会」にこそ問題がある。そう。先の敗戦から引き継がれた問題だ。机上模擬演習では負けることが