派閥の政治資金パーティー裏金事件に揺れる自民党は16日、都道府県連の幹事長が集まる全国幹事長会議を党本部で開いた。冒頭を除いて非公開だったが、出席者によると、各都道府県連による質疑では、問題が指摘されている国会議員の処分などの「けじめ」を急ぐよう求める発言が相次いだ。(宮尾幹成、小寺香菜子)
神奈川県は13日、新型コロナウイルスワクチンを接種後に健康被害が生じ、国の救済制度で認定された人数が県内315人(2月26日時点)になると明らかにした。このうち死亡は17人。 県議会予算委員会で質問に答えた。県によると、県内の申請は613人で、認定されたのはほぼ半数。全国では申請1万345人に対して認定6344人、うち死亡は493人だった。 県によると、県内の新型コロナワクチン接種回数は延べ約3148万回。国の救済制度上の申請・認定人数とは別に、医療機関などから県に副反応の疑いがある件数として死亡99件を含む3189件の報告があることから、質問した小島健一県議(自民党)は「子宮頸(けい)がんワクチンがそうだったが、重大な影響が出たら立ち止まるのが普通だ」と指摘。副反応や救済制度についての周知に力を入れるよう求めた。
2024年度一般会計当初予算案の採決をめぐり、衆院で1日、与野党の攻防が激化した。総額112兆5717億円の予算案は過去2番目の規模で、社会保障費や防衛費は過去最大だが、衆院予算委員会の審議は「政治とカネ」にほぼ集中。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の実態解明や抜本的な政治改革に後ろ向きな岸田文雄首相の姿勢が議論の停滞に拍車をかけ、少子化対策や防衛費増の是非など重要な政策課題の存在がかすんでいる。(近藤統義、山田晃史) 当初予算案は2月5日に実質審議入り。約38兆円の社会保障費には増額した少子化対策の多くが盛り込まれ、約8兆円の防衛費には国産長射程ミサイルの開発・取得費や、イージス・システム搭載艦の建造費などが入った。6月から実施される定額減税による地方減収分を補う交付金9000億円も含まれる。厳しい財政状況の中、国民負担がどこまで増えるのか、27年度までの5年間で43兆円という防衛
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、不記載が5年間で総額約13億5000万円もあった安倍派の幹部4人が出席した1日の衆院政治倫理審査会。いつ裏金づくりが始まり、なぜやめられなかったのか。国民が抱く不信と疑念に対し、4人は「反省」を口にしたが、詳細は「知らない」「存じ上げない」と異口同音に繰り返した。裏金を国会の議員事務所で保管して秘書の判断で支出していたのに、納税を否定するなど、国民感情を逆なでするような責任逃れの弁明が相次いだ。(井上峻輔) 裏金づくりがいつから始まったかについて、安倍派で事務総長を務めた西村康稔前経済産業相は「歴代会長と事務局長との間で長年慣行的に扱ってきたことだ。判然としない」と回答。塩谷立元文部科学相も「二十数年前から始まったのではないかと思うが、明確な経緯は承知していない」と述べるにとどめた。
自民党派閥の政治資金パーティーで受け取った裏金の税務処理を巡る自身の発言に批判が集まっていることを受け、鈴木俊一財務相は26日の衆院予算委員会で「国民であれ国会議員であれ、収入や経費を正しく計算し、所得が発生した場合には申告して頂く」と述べ、発言を修正した。 問題となっているのは鈴木氏が22日の衆院予算委で、裏金を受け取った議員は所得として納税することになるかを問われた際に「疑義が持たれた政治家が政治責任を果たす、そういう観点から(議員個人が納税をするかどうか)判断されるべきものであると思う」と述べた答弁。納税は憲法で国民の義務と明記されている。にもかかわらず、答弁は政治家だけが納税を個人の判断でできるともとれ、特別扱いだとして、交流サイト(SNS)で「納税は個人の自由だったのか」などと批判が広がった。 26日の予算委では、立憲民主党の城井崇氏は裏金事件の中で始まった確定申告を巡り、SNS
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関し、自民が派閥から所属議員に渡されたお金を「還付金」だと言い張っている。国税通則法などに登場する用語で、本来は国民が誤って所得税を納めすぎた場合などに返還される正当な金銭を指す。自民は記者会見などで多用しているが、政府与党から使い方をただす声は上がっていない。 自民が15日に公表した所属議員への聞き取り調査の報告書では、ノルマを超えてパーティー券を売った議員に渡されたお金を「還付金」、議員が派閥側に渡さずに保管したパーティー券収入を「留保金」と名付け、正当性を印象づけた。裏金事件の主な舞台となった安倍派幹部らも還付金という言葉をたびたび使い、党内でも定着している。
能登半島を襲った大地震・津波により、2024年の幕開けは衝撃で覆われた。もちろん、引き続き被災者に応える最大限の災害対応は必要だが、だからといって、震災以外の疑惑・問題を覆い隠したり、災害に便乗した動きを見過ごすことはできない。政治とカネ、改憲、復興名目の増税、原発再稼働…「ショック・ドクトリン」にどう対応すべきか。(宮畑譲、木原育子)
石川県で最大震度7を観測した能登半島地震では、被害が甚大な輪島市や珠洲市など奥能登地方を中心に道路の損壊が激しく、通信状況も悪化したため、行政や自衛隊が避難所に支援物資を届ける作業がスムーズに進まなかった。また、行政の指定避難所に入れなかった被災者らは自主的に避難所を開設し、自力で物資を調達ししのいでいた。発生から8日で1週間。避難所の課題を探った。(高橋雅人、武藤周吉、郷司駿成、加藤壮一郎)
2023年最後の取引となった大納会の29日、東京株式市場は日経平均株価(225種)が前年末に比べて7369円67銭高い3万3464円17銭で取引を終えた。年末の株価としては過去最高だった1989年以来、34年ぶりの高値となった。業績好調な大企業は株式市場をけん引した半面、稼ぎを人件費に回す割合「労働分配率」は4割ほどと過去最低の水準だ。識者は「大手企業は賃金に回せる余裕がある」と指摘する。(押川恵理子) 労働分配率 企業の生みだした付加価値が、どれだけ働く人に還元されているかを示す割合。高いほど働く人への配分が手厚いと言えるが、高過ぎると経営を圧迫する。本紙は財務省の法人企業統計(金融、保険業を除く)をもとに、人件費を付加価値(経常利益、人件費、減価償却費などの合計)で割って、分配率を算出した。ほかに、経常利益の代わりに本業のもうけである営業利益を使う算出方法や、雇用者報酬を国民所得で割る
河野太郎デジタル相が22日、記者会見で、マイナ保険証が使えない医療機関についての国への報告を求めるかのような発言をし、医療団体の反発を招いている。医療機関側が「紙の保険証」の提示を求める背景には、マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証を巡るトラブルが続く現状があるからだ。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く