現役の女性自衛官が、航空自衛隊那覇基地(沖縄県)でセクハラ被害を訴えたのに空自が適切に対応しなかったとして、国に約1200万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、東京地裁=貝阿弥(かいあみ)亮裁判長=であった。原告は意見陳述で「セクハラを隠蔽(いんぺい)し、声を上げた被害者を罰するような自衛隊の対応を容認してはいけない」と主張。国側はセクハラの事実はおおむね認めた上で、争う姿勢を示した。 訴状などによると、原告は2010年9月~13年1月、先輩の男性隊員から交際相手との性生活などに関するセクハラ発言を繰り返し受けた。11の相談部署や上司に被害を申告したが、措置がとられないまま男性と日常的に顔を合わせる環境に置かれた。基地内の研修では、原告だけ実名を出し、男性を擁護する内容で事例が紹介されるなどして、偏見に基づく冷遇や嫌がらせで精神的苦痛を受けたと訴えている。