「高速道路の新たな上限料金を発表させていただきました」。9日の記者会見翌日の土曜日、馬淵澄夫副国土交通相は地元・奈良市内で街頭演説していた。耳を傾ける人は15人ほど。「なめんじゃないよ!」とのやじまで飛んだ。 「実質値上げ」と伝える新聞、テレビにどう反論するか。奈良に向かう新幹線の車中、「アパートの大家さん(道路会社)が、住人(ドライバー)に、さまざまな条件で割り引いた家賃(通行料金)を見直す代わりに、住民から要望された階段(東京外環自動車道)を取り付ける(建設する)」というたとえ話を考えた。それでも、中型トラックを近くに止めて聞いていた酒屋の男性(41)は「話が難しすぎる」と腕組みしたままだった。 「工学部卒業後、ゼネコンでサラリーマンを経験。道路の細かなデータ、資料を分析できる」(国交省幹部)馬淵氏。関係者によると当初、時間帯や地域によって料金設定を変えて交通量を制御し、渋滞減らしにつ