『十三月のふたり姫』がどんなゲームかと問われれば、「真実の愛」とはなにかを探求するゲームだといえるだろう。愛というとありきたりで陳腐なようにも感じられるが、作品の世界観に合わせてアレンジされた実在の人物たちとの出会いにより、主人公であるウルウヅキが愛とはなんぞやを丁寧に掘り下げる構成になっており、テーマは地に足がついている印象だ。 本作は2022年12月3日にPC(Steam)向けに発売されたビジュアルノベルであり、ゲームの企画をおこなうコバヤシマル初のパブリッシュ作品。「鈴木大司教」の異名を持ち、「女神転生」シリーズの世界設定やシナリオを手がけた鈴木一也がシナリオを担当している。サウンドを同じく「女神転生」シリーズの作曲およびサウンドエンジニアリングであった増子津可燦が担う。そしてデジタルアートの競技大会「LIMITS」の初代世界チャンピオンとして知られる、イラストレーターのアオガチョウ