じつは先日、郷里で伯父さんが亡くなったので葬儀に参列してきた。伯母さんや長男(従兄弟)と一緒に私も骨を拾わせてもらった。 83歳の伯父さんは、しばらく寝たきりだったが最近は元気で、朝ことばを交わした直後に息をひきとったという。納棺されても、ずっと寄り添ってきた伯母さんや従兄弟には、眠っているのと何も変わらなかったことだろう。 だから、火葬センターに行ったあと骨になって出てきた伯父さんの姿は、2人にとって最後にして最大のインパクトだったように見えた。 人は死ねば骨になる。 それはもう悲しみを通り越した事実だ。長い介護と煩雑な葬儀をすべて終えた安堵もきっとあっただろう、伯母さんは、伯父さんの骨のなかに治療したばかりの歯の詰め物があるのを見つけ、少し笑った。従兄弟は「頭蓋骨の裏がどうなっているのか、見せてくれませんか、こんな時じゃないと絶対見れないので」と係の人に頼んでいた。 人は死ねば骨になる