経済学をまったく知らないと、経済学の教科書の冒頭の諸概念(機会費用、需要供給の分析など)を理解すると、なんでこんなことを勉強しなければいけないのか? と素朴に思うことがあるだろう。あまり現実の課題と結びつかないという印象がある。 特に高校生のおそらく終わり近くで、すでに推薦などで経済関係の大学にいく人達、または高校を卒業して新しく大学に入る就学前の人達には、どうしても独学で勉強する時期があるだろう。そのときに上記の素朴な疑問がかならずでてくるはずだ。実は僕もそうだった。 本書は、経済学の主要三部門(ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学)の中で、最も初心者が取組みに努力が必要な(その多くはなぜこの概念が経済学の理解に必要なのかでためらいがあることだろう)基礎的な概念を、著者の体験やまたシンプルな政策的応用を見据えて解説していてとても親切である。 このときの「親切」はよくある非専門家たちの書