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2022年8月28日のブックマーク (4件)

  • <書く人>やさしくつながる 『人間関係を半分降りる』 フリーライター・鶴見済(わたる)さん(58):東京新聞 TOKYO Web

    ミリオンセラー『完全自殺マニュアル』(一九九三年)の著者が、自らの悲痛な体験を明かしつつ、「人間関係」についての考え方をつづった。「人間には醜い面があるのだから、少し離れてつながろう」との提言は、示唆に富んでいる。 「人の悩みの多くは人間関係のはず。深刻な問題なのに、小さなことと見なされがち。社会制度や政治などの大きな枠組みに原因があると考えてしまうから」。そんな嘆きが書執筆の動機の一つ。社会的にDVやパワハラといった人対人の加害行為、性的マイノリティーらを巡る新たな家族の形などへの関心が高まってきたことも後押しした。 高校時代、「視線の密度が濃い教室の中で」心を病んだ。人目を気にしすぎる社交不安障害(対人恐怖症)だ。皆が同級生を品評するような悪意のある視線に疲れ、大学受験後はほとんど人に会わずに過ごした。晴れ晴れした気持ちになり、分かった。「その人間関係はいらなかったのだ」 家庭では、

    <書く人>やさしくつながる 『人間関係を半分降りる』 フリーライター・鶴見済(わたる)さん(58):東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2022/08/28
    “(『完全自殺マニュアル』の著者による)「人間には醜い面があるのだから、少し離れてつながろう」との提言は、示唆に富んでいる”。筑摩書房。
  • <書評>『この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか』奥泉光、加藤陽子 著:東京新聞 TOKYO Web

    戦争を描く小説家(奥泉光)と、戦争を研究する歴史家(加藤陽子)による戦争をめぐっての対話である。まずは、第一部でアジア・太平洋戦争を考える前提−問題意識と近代日の「国民統合の方式」として「軍隊」と「憲法」に焦点があてられる。第二部では、戦争に至る過程が細かに追われ、最後に戦争にかかわる手記や日記、文学作品が読み解かれる。第一部・第二部では国家の政策や為政者の議論が扱われるのに対し、第三部では、手記や日記、文学作品を扱い、戦争にまきこまれた側の声が読み解かれる。 ともに親が戦争体験を有する世代で、戦争に対する感覚を共有し、軍部の台頭−暴走を批判する歴史観を持つ。「軍人勅諭」と「教育勅語」が並べて読み解かれ、公式の解釈が時代のなかで変遷したことが指摘される。日中戦争が第一次大戦後の国際関係−不戦条約体制との関連で解かれ、日米開戦をめぐる現在の新解釈が披露されるなど、対話によって戦争をめぐる通

    <書評>『この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか』奥泉光、加藤陽子 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2022/08/28
    “単純化され、単一の声で染め上げたストーリーとなってしまっている…戦争をめぐっての「物語」。しかし、それなしでは戦争に接近できないとして、…さまざまに点検し、批評する”。評:成田龍一。
  • <書評>『沖縄戦と琉球泡盛 百年古酒(クース)の誓い』上野敏彦 著:東京新聞 TOKYO Web

    沖縄戦と琉球泡盛という二つの大きなテーマを柱に沖縄のいまを追う渾身(こんしん)の一冊。沖縄戦によって灰燼(かいじん)に帰した地から琉球泡盛はどのように蘇(よみがえ)ったのか−。それはとりもなおさず私たち人間の復権の道のりといえる。 序章の一つ目「カウンター下に隠す酒」がいきなり心にささった。戦後、沖縄県民はみずから泡盛を洋酒より劣る酒として扱ったという。その話に、琉球処分によって国を奪われ、沖縄戦で「捨て石」にされた沖縄県民の砕かれたプライドと痛みを思わずにはいられない。「君は日人なの?」と国費沖縄留学生として入った土の大学で級友に突然問われ、あまりのショックに声が出なかったという元琉球朝日放送社長上間信久のエピソードも心に残る。大切なものはイデオロギーよりもアイデンティティー。そのことを書は一貫して訴える。 厖大(ぼうだい)な取材のなかから浮かび上がる沖縄戦の惨(むご)さと琉球泡盛

    <書評>『沖縄戦と琉球泡盛 百年古酒(クース)の誓い』上野敏彦 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2022/08/28
    「敗戦後の瓦礫の山を掘り起こし、泡盛の蒸留に必要な黒麹菌を発見…。そのよろこびのさまはまさに生存者を発見した者のそれ…。泡盛六百年の歴史とドラマを一望させてくれる」。評:杉本真維子。
  • <書評>『国際報道を問いなおす −ウクライナ戦争とメディアの使命』杉田弘毅 著 :東京新聞 TOKYO Web

    ロシアによるウクライナ侵攻を予想できなかったことから、日の国際報道が抱える欠陥を検証しようとしている。著者は共同通信の記者としてテヘランやニューヨーク、ワシントンで勤務し、長く国際報道に携わり、現在も特別編集委員兼論説委員の立場にある。その人が「国際報道を問い直す」と言うのだから穏やかではない。 著者によれば、これまでの日の国際報道は、米国メディアの記事を翻訳し「横のモノ(外国語)を縦(日語)にする」だけで「自分で取材して自分で判断」してこなかったと断罪している。だが、少なくとも「戦争の行方」の予測に関しては、冷戦後の世界秩序が流動化する中でいっそう困難になっており、合理的とは思えない判断を行う権力者が勢いを増す世界では、そもそも期待されているかどうかも分からない。 著者も「国際報道に長く携わってきた私も、核兵器大国のロシアが隣国にあれほど残酷に侵攻するとは予想できなかった」というが

    <書評>『国際報道を問いなおす −ウクライナ戦争とメディアの使命』杉田弘毅 著 :東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2022/08/28
    “フェイクやプロパガンダが横行する世界で「何でも見てやろう」という姿勢を回復してほしいというのが、著者の切なる願いなのかもしれない”。評:内田誠。ちくま新書。