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  • <著者は語る>私を通して書く「未知の奥」 『ミチノオク』 作家・佐伯一麦(かずみ)さん(64):東京新聞 TOKYO Web

    東北をあらわす「陸奥」の元の意味は「道の奥」。「ミチノオク」とカタカナにしてみると「未知の奥」という意味合いも感じられる-。仙台市在住の私小説作家は、今回の作品のタイトルについて扉で解説している。 自身も被災した2011年の東日大震災以降、水辺の災害の記憶をたどる旅を続けてきた。19年の『山海記(せんがいき)』では、十津川村(奈良県)を訪ねつつ東北に思いをはせた。「正面から東北の被災を書くには早すぎた。時間を経て、今度はいよいよ自分の生まれた場所を書こうかと思いました」と話す。還暦を迎える前後に重ねた旅をもとに私小説的な「紀行小説」に仕上げた。

    <著者は語る>私を通して書く「未知の奥」 『ミチノオク』 作家・佐伯一麦(かずみ)さん(64):東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/21
    陸奥=道の奥。“かつて中上健次さんに「眠れる文化の宝庫東北を書けよ」とハッパを掛けられた。編集者寺田博さんには「私小説は私を通して他人を書くものでもある」と教えられた”
  • <書評>『あなたの代わりに読みました 政治から文学まで、意識高めの150冊』斎藤美奈子 著:東京新聞 TOKYO Web

    群れない、媚(こ)びない、追いつめない。斎藤美奈子の書評の肝はこの「3ない」にあると思っている。近現代日文学で扱われている「望まない妊娠」をめぐる筆致から、男性主観の女性問題をあぶりだした評論集『妊娠小説』でデビューした1994年以来、約30冊の単著を出しているにもかかわらず、文壇における権力とは無縁でい続けているのが「群れない」「媚びない」の証拠だ。でも、同じく書評を生業としているわたしがもっとも気になっているのは、三つ目の「追いつめない」なのである。 今はなき『週刊朝日』の連載で10年間にわたって取り上げた全490冊の中から150冊を紹介する書で、まず驚くのが読書の幅の広さだ。ベストセラーから芥川賞受賞作まで、選書は多岐にわたっている。中には当然「はて?」と首をひねるような出来栄えのもある。しかし斎藤さんは「はて?」の原因を探りこそすれ、それを茶化(ちゃか)しこそすれ、全面否定と

    <書評>『あなたの代わりに読みました 政治から文学まで、意識高めの150冊』斎藤美奈子 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/14
    「<本を読むと新しい知識を得る気がするが、実際は逆。自分の無知さに驚くのだ>と記す斎藤美奈子の、…誠実さと美点を味わうのに最適なブックガイド」。評:豊崎由美。
  • <書評>『異様! テレビの自衛隊迎合』加藤久晴 著:東京新聞 TOKYO Web

    74式戦車の砲手席に乗り込むや、タレントのカズレーザーが叫んだ。陸上自衛隊・駒門駐屯地(静岡県御殿場市)。昨年11月17日に放送された日テレビの情報バラエティー『沸騰ワード10』である。 軍事行動というものに対する疑念とか、呻吟(しんぎん)の類(たぐい)がカケラもない。「富士を撃つな」を合言葉とする地元の基地反対闘争への目配りさえも。あるのはただ、自衛隊の主導による宣伝だけだった。 第2次安倍晋三政権が発足した翌年の連続ドラマ『空飛ぶ広報室』(TBS系)あたりから、この手のテレビ番組がやたらと目立つ。世論や民主勢力の沈黙が続けば、アニメでも報道企画でもドキュメンタリーでも、要はあらゆるジャンルで「国防軍による先制攻撃が肯定され、組織的人殺しや国のために死ぬことを美化するものが放送されるだろう」と、著者は予言している。

    <書評>『異様! テレビの自衛隊迎合』加藤久晴 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/14
    「状況を憂えたテレビマン出身のメディア研究者が、それら番組群をつぶさに視聴。内容を活写し、検証を加えた」。評:斎藤貴男。目次はここ→ https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784406068017 『沸騰ワード10』の他『VIVANT』など
  • <書評>『ルディ・ドゥチュケと戦後ドイツ』井関正久 著:東京新聞 TOKYO Web

    ドイツでは近年、政治の保守化が進む。それを象徴するのが「ドイツのための選択肢」(AfD)の伸長である。移民や難民の流入に反対し、EUからの離脱を掲げる排外的民族主義の極右政党だ。 同党は「68年」を仮想敵にする。1960代後半に高揚した学生運動のことだが、なぜ現在ではなく半世紀以上前の運動と、その担い手の68年世代を敵視するのか。理由は多文化主義やフェミニズム、エコロジーなどリベラルな価値観の源流がここにあるからだ。そして同党が嫌うこの世代の偶像こそ書の主人公、ルディ・ドゥチュケ(40~79年)である。 学生運動の指導者となったドゥチュケをめぐっては、神格化や伝説化の一方で、激しい武装闘争やテロリストとの関係が取り沙汰されてきた。書はこれまでの対照的な評価や論争の次元を超えて、ドゥチュケという人物の質に迫る初の格的評伝である。

    <書評>『ルディ・ドゥチュケと戦後ドイツ』井関正久 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/14
    “〔極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)は〕「68年」を仮想敵にする。…多文化主義やフェミニズム、エコロジーなどリベラルな価値観の源流がここにあるからだ。…この世代の偶像こそ…ドゥチュケ”
  • 小池百合子氏、石丸伸二氏、蓮舫氏 3人はどの自治体で多く票を得たのか? 東京都知事選のデータを読む:東京新聞 TOKYO Web

    東京都知事選は7日投開票され、現職の小池百合子氏(71)が3選を果たし、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が2位となった。前参院議員の蓮舫氏(56)は参院選で負けなしだったが、3位に沈んだ。過去最多の56人が立候補した中、上位3人の得票は全体の85.9%を占めた。 どの自治体でどれくらい票を得たのか。データを見ると、全自治体で小池氏が強かった。都心部では石丸氏が得票を伸ばし、23区全てで蓮舫氏を上回った。蓮舫氏が石丸氏を上回ったのは、小金井市、東大和市、清瀬市、多摩市、日の出町、檜原村、奥多摩町、大島町、御蔵島村の9自治体のみだった。(小川慎一)

    小池百合子氏、石丸伸二氏、蓮舫氏 3人はどの自治体で多く票を得たのか? 東京都知事選のデータを読む:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/08
    「都心部では石丸氏が得票を伸ばし、23区全てで蓮舫氏を上回った。蓮舫氏が石丸氏を上回ったのは、小金井市、東大和市、清瀬市、多摩市、日の出町、檜原村、奥多摩町(…など)の9自治体のみ」
  • 蓮舫氏は失速…「2位」さえ逃した大誤算 「直接対決」かわされ、自民たたきの戦略も空回り 東京都知事選:東京新聞 TOKYO Web

    7日の東京都知事選で、立憲民主、共産両党が「最強の候補」との期待をかけて共同擁立した蓮舫氏。参院議員の議席を手放して挑戦したが、小池百合子氏に大きく離され、石丸伸二氏にもリードを奪われ、「2位」にも届かなかった。出口調査や取材で浮かんだ「敗因」は、いったい何だったのか。(原田遼)

    蓮舫氏は失速…「2位」さえ逃した大誤算 「直接対決」かわされ、自民たたきの戦略も空回り 東京都知事選:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/07
    「蓮舫氏は若者支援を訴えたにもかかわらず、調査結果によると、40代以下の有権者の支持を得られなかった。支持をがっちりつかもうと狙った年齢層は、石丸氏に」
  • <書評>『木滑さんの言葉 思想 歴史 発言 足跡 そして 記憶』塩澤幸登(ゆきと) 著:東京新聞 TOKYO Web

    昨年の7月、木滑良久(きなめりよしひさ)さんが亡くなった。93歳だった。木滑さんはマガジンハウスの元社長。雑誌『アンアン』や『ポパイ』、『ブルータス』の編集長を歴任した。60代以上なら『週刊平凡』や『平凡パンチ』も覚えているかもしれない。 書は木滑さんの生涯を描いたノンフィクション。ただし普通の評伝とはちょっと違う。部下として木滑さんの近くにいた著者の視線で書かれていると同時に、著者自身の編集者人生も細かく回顧されているからだ。つまり軸が2あるわけで、それがいい効果を出している。ぼくが書名をつけるとしたら、「木滑さんとわたし」かな。 木滑さんは雑誌の黄金時代を生きた人だった。いや、違う。木滑さんが日の雑誌の黄金時代をつくった。ぼくは昔、マガジンハウスの資料室に通って古い『週刊平凡』や『平凡パンチ』を夢中で読んだことがあるけれど、時代を経ても面白く、誌面から当時の熱気が伝わってきた。

    <書評>『木滑さんの言葉 思想 歴史 発言 足跡 そして 記憶』塩澤幸登(ゆきと) 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/07
    「木滑(良久)さんはマガジンハウス(旧・平凡出版)の元社長。…木滑さんは雑誌の黄金時代を生きた人だった。いや、違う。木滑さんが日本の雑誌の黄金時代をつくった」。評:永江朗。
  • <書評>『エビデンスを嫌う人たち 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』リー・マッキンタイア 著:東京新聞 TOKYO Web

    書評>『エビデンスを嫌う人たち 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』リー・マッキンタイア 著 リー・マッキンタイアは「現代人は『ポスト真実(トゥルース)』の時代に生きているのではないか」という問いかけから出発して一冊のを書き、「今日の現実の否定のルーツが、科学の否定の問題に直接さかのぼれる」との結論を得た科学哲学者である。そして今度は、「科学を批判者から擁護する」策を実践するためオフィスを出て、まず「地球は平らだと主張する地球平面説(フラットアース)」の信者たちが集まる国際会議に潜入する。 「気をつけなさい。私は人々の教化について研究したけど、球体主義者はみんな洗脳されているはずだから」という「創造主」を自認する高齢女性とか、ジェット機による移動の歴史はすべてインチキだと信じている若い男とか、「エビデンスを嫌う人たち」の生態がユーモラスに紹介されていて面白い。 ひょんなきっか

    <書評>『エビデンスを嫌う人たち 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』リー・マッキンタイア 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/07
    “マッキンタイアは、「科学否定論者」が「ポスト真実(トゥルース)」界の巨魁…トランプの岩盤支持層であるキリスト教原理主義者と重なる厄介さを知っても躊躇しない”。評:風元正。
  • <著者は語る>本にやられっ放し 『読んでばっか』 作家・江國香織さん(60):東京新聞 TOKYO Web

    「基的に日頃、読む・飲む・書くしかしていない」と自己分析する著者の、読書にまつわるエッセーや新聞書評などを収めた。読書の6割を占める大好きな海外ミステリーをはじめ月に20冊以上買い、入浴中も人を待つ合間も読んでいる。「私の棚が丸わかりになる」という一冊だ。 中でも幼い頃から親しんできた絵や児童文学への愛が、文章からほとばしっている。そんな感想を伝えると「意識していないつもりでもテンションが出ちゃっているんですね」と笑顔。児童文学については「子供だけのものじゃない。大人が自ら読むものを狭めている」と感じており、親交があった絵作家の佐野洋子さんら敬愛する児童文学者の作品にも積極的に触れてきた。石井桃子さんについては<出現以前と以後がある>と書くほどだ。 「取り上げる前からは力を持っている」と考え、書評では読みたいと思わせる役割に徹する。<熱のあるときにしゃぶる氷みたいな>と全体を評

    <著者は語る>本にやられっ放し 『読んでばっか』 作家・江國香織さん(60):東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/07
    “「基本的に日頃、読む・飲む・書くしかしていない」〔…〕。特に重視するのは物語世界に没入するための描写の精度で、「ミステリーでもトリックよりディテールを楽しんでいる」と明かす。”
  • <書評>『音楽を信じる We believe in music!』村井邦彦 著:東京新聞 TOKYO Web

    赤い鳥の「翼をください」やテンプターズの「エメラルドの伝説」など数々のヒット曲を作曲し、音楽出版社を設立して後にフランク・シナトラで大ヒットする「マイ・ウェイ」の日での権利を買い取った。最初の専属作曲家はまだ高校生だったユーミン。1977年にはアルファレコードを設立してYMOを世界に売り出した……。 作曲家兼プロデューサー兼レコード会社経営者。著者は日のポップス界にはそれまでいなかったタイプの人間だった。その経歴を振り返る日経新聞の連載「私の履歴書」(2023年2月)に新たな書き下ろしエッセーを加えたのが書。日音楽界に著者が残した大きな足跡が詳しくつづられている。 一読してまず、交友の広さに驚く。ミュージシャンや作詞家、作曲家はもちろん、歌舞伎の二代目中村吉右衛門、キャンティの川添浩史夫とその長男の象郎(しょうろう)、俳優の勝新太郎、文学の山崎正和、辻邦生、料理家の辻静雄、実業

    <書評>『音楽を信じる We believe in music!』村井邦彦 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/06/30
    “第4章は「YMO前史」。…多くの若い才能あるミュージシャンの星雲の中から、互いに引き寄せられるようにYMOが誕生した様が、送り出した側の視線で語られる。貴重な証言だ”。評:篠崎弘。
  • 投票は「よりマシな『地獄の選択』を」 選挙ウォッチャー畠山理仁さんが都知事選「大乱戦」に高評価:東京新聞 TOKYO Web

    過去最多の56人による大乱戦となっている東京都知事選(7月7日投開票)は、17日間の選挙戦の後半戦に突入した。候補者の多くは主要政党や有力業界団体などの支援を受けず、従来の選挙報道では「インディーズ候補」(「泡沫候補」とも)として扱われてきた人たちだが、今回はさまざまな話題を振りまき注目されている。異例の選挙戦の見どころを、インディーズ候補の活動に光を当てた著書で知られるフリーライターの畠山理仁さん(51)に聞いた。(聞き手・佐藤裕介)

    投票は「よりマシな『地獄の選択』を」 選挙ウォッチャー畠山理仁さんが都知事選「大乱戦」に高評価:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/06/30
    「蓮舫氏は、…(都と契約する企業に賃上げを促す)『公契約条例』のアイデアは、事業体としての東京都が民間に賃上げを働きかけるいいアイデアだ。…選挙は4年に一度の『政策オリンピック』だと思っている」
  • <書評>『ガザ日記 ジェノサイドの記録』アーティフ・アブー・サイフ 著:東京新聞 TOKYO Web

    著者は、ヨルダン川西岸地区のラマッラーに住むパレスチナ人作家。たまたま故郷ガザを訪れていた昨年10月7日に戦闘が始まり、ガザ地区に閉じ込められた。書は、その85日間の記録である。 イスラエル軍は、病院や学校、墓地まで破壊する。親戚や友人、子どもが毎日殺される。遺体がばらばらになっても身元が確認できるように、人々は手足に自分の名前を書いておくという。さらに料や水、電気、医薬品などの不足は、あまりにも深刻だ。 著者は「今朝、私たちの街は古いヒロシマの写真のようだった」と書く。それでも人々は助け合い、つながりにくい電話で安否を確認し、語り合い、苦いジョークも飛ばす。簡潔な文章から、瓦礫(がれき)と粉塵(ふんじん)の街が目に浮かび、人々の交わす声が聞こえてくるようだ。 ガザで何が起きているのか、と問われた著者は「正しい質問は、いま何が起きているじゃなくて、何が起きてきたかだろう。この間ずっと─

    <書評>『ガザ日記 ジェノサイドの記録』アーティフ・アブー・サイフ 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/06/30
    “ガザで何が起きているのか、と問われた著者は「正しい質問は、いま何が起きているじゃなくて、何が起きてきたかだろう。…75年以上にわたってだ」と答える”。評:松村洋。地平社。
  • 異世界、宇宙人…ぶつかる価値観の先にあったもの 『SF少女マンガ全史』の評論家・長山靖生さんがハマった衝撃:東京新聞 TOKYO Web

    評論家・長山靖生さん(61)は事もなげに笑うが、『SF少女マンガ全史』(筑摩選書・2200円)は黎明(れいめい)期から現在に至るまでのSF少女漫画の発展の歴史を400ページ弱にまとめた労作だ。萩尾望都(もと)や山岸凉子、竹宮恵子、山田ミネコらが頭角を現した1970年代半ば〜80年代の「黄金期」を中心に、有名無名を問わず多彩な作品を取り上げ、作者とともに丁寧に解説。さまざまな魅力を伝える優れた読書ガイドともなっている。

    異世界、宇宙人…ぶつかる価値観の先にあったもの 『SF少女マンガ全史』の評論家・長山靖生さんがハマった衝撃:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/06/23
    “宇宙人や異世界など他の価値観との出会いから展開していくSFは「自分の芯を守りながら、相いれない他者をどう理解し、許容していくかがテーマになる」と指摘”。筑摩選書。
  • <書評>『核燃料サイクルという迷宮』山本義隆 著:東京新聞 TOKYO Web

    核燃料サイクルとは、軽水炉での「燃焼後」の「燃え残り」であるウラン、非燃性ウランが中性子を吸収したときに生ずるプルトニウムを「再利用」して発電する技術である。 だが、たとえば、プルトニウムはウランの10万倍の毒性を有し、半減期が2万4千年で、実質的に安全になるまで数十万年かかり、保存だけで長期にわたる作業者の被曝(ばく)と膨大な資金が要求される。 核燃料サイクルは、兆単位で投入してきた税金も無駄にし、技術的にも極めて困難であることが確定しており、日の官僚たちや政治家たちにも理解している人はいるのに、なぜ撤退までこんなにもこじらせるのか。

    <書評>『核燃料サイクルという迷宮』山本義隆 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/06/23
    “プルトニウムの核兵器を製造できるという…「抑止力」の重要性を、著名な政治学者から政治家まで共有しているが、…国際法では、再処理施設や使用済み核燃料貯蔵施設は攻撃の禁止対象から除外されている”
  • <書評>『自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと』若松英輔 著 西淑 画:東京新聞 TOKYO Web

    書は新聞の連載であり、東西の名著からの言葉を核にしたエッセイ集である。大岡信『折々のうた』を思いださせるが、書が引用している言葉は箴言(しんげん)、名言のような鋭さはない。むしろ何気ない趣の言葉である。 たとえばアラン『幸福論』より、「幸福はいつもわれわれから逃げてゆくものだ(略)しかし、自分でつくる幸福は、決して裏切らない」。あるいはヒルティ『幸福論』より、「仕事の机にすわって、心を仕事に向けるという決心が、結局一番むずかしいことなのだ」など。

    <書評>『自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと』若松英輔 著 西淑 画:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/06/16
    「本書は、ふしぎなことに、何度か読むうち、ほんの少し周りが変わって見える日がくる。自分の硬い殻にひびが入るのだ」。評:井坂洋子。亜紀書房。
  • <書評>『ATTENTION SPAN(アテンション・スパン) デジタル時代の「集中力」の科学』グロリア・マーク 著:東京新聞 TOKYO Web

    パソコンに向かって仕事をしていると、時に自分の集中力のなさに愕然(がくぜん)とする。すぐに疲れ、SNSなど楽なことへと逃げたくなる。どうにかならないものだろうかと長く思い続けてきた中で、書に出合った。 著者は人間の集中とデジタル機器の関係などについて長く研究してきた心理学者だ。著者自身、集中できないという問題を抱え、同僚もみな一様にそうらしいと知って、このテーマを研究するようになったという。デジタル機器に囲まれて生きる現代人が共通に抱える集中力の問題とはいかなるものか。その研究成果を書にまとめた。 第一の問題は、私たちが日々処理を迫られる情報やメッセージが多すぎることだ。加えて、各種通知が止めどなく届き、興味を持ちやすい情報が次々に提示される仕組みにさらされていることである。その結果、複数の仕事を同時にこなす「マルチタスク」に身を投じざるを得なくなり、またタスクの頻繁な中断を余儀なくさ

    <書評>『ATTENTION SPAN(アテンション・スパン) デジタル時代の「集中力」の科学』グロリア・マーク 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/06/09
    “集中力の蓄えである「認知リソース」の補充が重要であると強調する。…その上で、著者は言うのだ。私たちは生産性の増大よりも幸福の増大を目指すべきなのだと”
  • <書評>『資本主義の宿命 経済学は格差とどう向き合ってきたか』橘木(たちばなき)俊詔 著:東京新聞 TOKYO Web

    なかなか大胆なタイトルである。著者はいわゆる「近代経済学」の流を歩んだ人で、その思想は穏健なリベラル派といっても過言ではない。資主義のさまざまな欠陥を一歩一歩改革し、よりよい体制に近づけようというリベラル色のある近代経済学の立場は、経済学史ではケインズの師匠であったマーシャル以来の正統派中の正統なのだが、ベルリンの壁の崩壊以降、市場原理主義的な言説が論壇を席巻し、「漸進主義」の立場が少数派扱いされるようになった。憂うべきことだ。 著者も、1990年代からわが国における経済格差の拡大という問題に取り組み、日の学界や論壇に警鐘を鳴らしてきたのだが、傘寿を超えて、その総決算というべき研究成果を一般の読者にも広く知ってもらいたいという意図で書を書いたのだろう。 サブタイトルにあるように、古典派から現代に至る欧米経済学の歩みの中での格差問題の取り扱いを概観した上で、ピケティ『21世紀の資

    <書評>『資本主義の宿命 経済学は格差とどう向き合ってきたか』橘木(たちばなき)俊詔 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/06/09
    “かつて「1億総中流」と言われた日本でも、相対貧困率の高さや不十分な生活保護制度など、先進国の中でも非常に不名誉な数字が紹介されている”。評:根井雅弘。講談社現代新書。
  • <書評>『デジタル・デモクラシー ビッグ・テックを包囲するグローバル市民社会』内田聖子(しょうこ) 著:東京新聞 TOKYO Web

    携帯電話が普及し始めた頃人間には100年早いと、評者は思った。スマホの登場で1万年説に改宗したのち、最近はあと100万年は必要だったと考えるに至っている。 なにしろデジタルのテクノロジーは恐ろしい。人間のあらゆる営みをデータ化し、カネにして(マネタイズ)、心の奥底までを支配する。利便性や生産性の類(たぐい)とは引き換えにできない、してはならない価値が、いとも簡単に破壊されていく。

    <書評>『デジタル・デモクラシー ビッグ・テックを包囲するグローバル市民社会』内田聖子(しょうこ) 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/06/02
    “本書は絶望のススメではない。それでも民主主義を守ろうとする米国市民らの闘いに力点を置いている”。評:斎藤貴男。地平社。
  • 小池百合子氏「首長に支援依頼はしていない」 日野市長の「知事側から依頼」発言を否定 都知事選巡り:東京新聞 TOKYO Web

    東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)を巡り、現職の小池百合子知事に出馬要請した区市町村長の有志52人の1人、日野市の大坪冬彦市長が30日の記者会見で、「小池知事側から『支援してくれますか』という打診があった」「(小池氏側からの)応援依頼だったのが、なぜか(首長側からの)出馬要請になってしまった。心外だ」と述べたことを受け、小池知事は31日の定例会見で「私からの依頼はしておりません」と話した。 会見で「知事サイドから支援を依頼したのか」と問われると、小池知事は「知事サイドの意味がよくわかりませんけど、はっきり申し上げると、私からの依頼はしておりません」と説明。「23区の長の方々、多摩島しょの方々とはいつも、ご意見を伺いながらしっかり連携して都政を進めてきた。そうした中で、有志の皆さま方から立候補の要請をいただいたものだと私は理解しております」と述べた。 出馬要請は、東京23区長でつ

    小池百合子氏「首長に支援依頼はしていない」 日野市長の「知事側から依頼」発言を否定 都知事選巡り:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/05/31
    予想通りの、すっとぼけ。「私からの依頼はしておりません」 ←「秘書がやった」「部下がやった」の新バージョン、《有志がやった》ですね。
  • なぜか「出馬要請」になっていた…元々は「小池百合子都知事からの『応援依頼』だった」と日野市長が明かす【一問一答】:東京新聞 TOKYO Web

    東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)を巡り、現職の小池百合子知事に出馬要請した区市村長の有志52人の1人、日野市の大坪冬彦市長は30日の記者会見で、「(小池氏側からの)『応援依頼』だったのが、なぜか(首長側からの)『出馬要請』になってしまった。心外だ」と述べた。 大坪市長は2021年の市長選では、小池知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」の推薦も受けて当選した人物。一体、何があったのか。(立川支局、デジタル編集部)

    なぜか「出馬要請」になっていた…元々は「小池百合子都知事からの『応援依頼』だった」と日野市長が明かす【一問一答】:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/05/30
    凄いな…。自演の茶番というだけではなくて、詐欺でもあったわけね。こういうのを「伏魔殿」と言うのでは?