日本政治の中枢が、「無言の侵入者」に狙われた。22日、東京都千代田区永田町の首相官邸屋上で、無人小型飛行機「ドローン」が見つかった。機体には放射線を示すマークのある容器が付き、自然界に存在しない微量の放射性セシウムが検出された。官邸の上空飛行の法的規制はなく、いつ飛来したかも不明。警視庁は、威力業務妨害も視野に捜査を始めた。 危機管理の専門家からは政府の対応の甘さに批判が上がった。青森中央学院大大学院の大泉光一教授(危機管理論)は、「爆発物を搭載していたらどうなっていたか。いたずらで済ますべきではない。日本の心臓部を狙ったテロが起こる可能性を認識すべきだ」と話し、重要施設の周辺で電波を使って妨害するなど、何らかの方法で防ぐ仕組みをつくるよう訴えた。 「対応する法律の整備が追いついていない」と指摘するのは危機管理コンサルタントの田中辰巳氏。ドローンは簡単に購入できて民間利用が広がっており、「