ブックマーク / shirooo305.hatenablog.com (16)

  • 負けヒロインの美学とは - Parad_ism

    アニメ雑感 「勝者がいれば敗者がいる」というのは勝負ごとにおける鉄則ですが、それは恋愛においても同じであり、主人公のハートを射止めたヒロインの裏側には大抵の場合、志半ばでその道を諦めたもう一人(場合によっては数人)の少女の姿があります。 けれど、それだって彼女達にもプライドはある。「あーこれは駄目かも分からんね」と思える状況下でも、やはり彼女達は立ち向かうのです。だからこそその姿は尊いし、あんなにも受けての心を揺さぶってその存在を際立たせる。その健気さと、愛しさと、強さといったらないでしょう? case1 : ましろ色シンフォニー/乾紗凪 素直になれない性格と、けれどそれでも主人公に少しずつ惹かれていくその様を観ていればどうしたって、その背中を押さずにはいられなくなると言いますか。音と建前の使い分けが下手な分、そこから滲み出る好きの気持ちが余りにも切なく。 観ているこちらがイラついてしま

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    hidamalar 2016/07/18
  • 『けいおん!』11話にみる高雄統子演出について - Paradism

    約5年振りに観返した『けいおん!』11話。澪と律が喧嘩する話としてもかなり有名な話ですが、その妙にリアルで冷たい空気を感じさせるこの回も私自身の中では大分トラウマとして記憶されていたためか、当時から今一歩「観直そう」という気持ちには至れていませんでした。けれど「今観ればあらゆる印象が大きく変わって観えるのではないか」と背中を押して貰えたのもあり、久しくこの挿話を観てみることにしたわけですが、その通りでした。 それこそこの話ってトラウマなんて言い切れてしまう程、ひどく辛さに満ちた話でもなければ、その画面から滲み出ていたのは決して冷え切った印象だけではなかったんです。むしろ、この挿話を観終え新たに得ることの出来た「この世界はこんなにも優しかったんだ」なんていう印象のお陰で、今はたくさんの幸せで満たされているような気さえしています。 それも一言に言い換えるのであれば“誰かが誰かをみつめる視線”

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    hidamalar 2014/12/12
    らき☆すた22話におけるかなたと父親の過去回想カットが個人的なベストカット
  • テレビアニメOP10選 2014 - Paradism

    昨年書いた記事から丸一年。季節も頃合いということで約1週間の遅れとなりましたが今年もこの企画に参加させて頂こうと思います。放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準は毎年同様 「とにかく好きなOP」 です。 未確認で進行形 / とまどい→レシピ 「タッタッタラ」 という軽快なリズムにのってお贈りされる四季折々のフラッシュメモリーに気持ちが昂まれば、そのリズムを身体全体で刻む少女たちの可愛さに酔いしれる素晴らしいOP。表情豊かなその作品性よろしく、主要キャラからサブキャラまで実に楽しそうなのが凄く良いです。動画工房らしい大きな動き、アニメらしい表現もとても魅力的。あと定点観測のカットにはどうしたって抗えないな、なんていう再確認もありつつ。 生徒会役員共* / 花咲く最強レジェンドdays アバンにOPのイントロが噛んでくるのが好き過ぎるやつ。爽快感の

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  • 映像のマジシャン石浜真史 ― 『ヤマノススメ』 への系譜 - Parad_ism

    アニメ雑感, ヤマノススメ最近では 『魔法戦争』 や 『東京レイヴンズ』 、また過去にまで遡れば 『かみちゅ!』 にまでと想い出す程に素晴らしいOPやEDを手掛けてきた石浜真史さん。そんな氏が直近で手掛けられた 『ヤマノススメ』 セカンドシーズンのOPがもう言葉では形容できない程に眩しく素晴らしくてもうちょっとどうにかなりそうだったわけですが、この感動を少しでも早いうちに書き残しておこうと今はそんな衝動に身を任せ記事を殴り書いています。 それこそ今回の記事に関してはその素晴らしさの多くを細部まで語るつもりはないですし、とにかくこの映像を観て昂ぶってしまった私のテンションの高さを感じ取ってもらえればそれで十分だなとも思っていて。 ポップな映像に軽快な音ハメ、カラーバリエーションの映える映像の見せ方に、近景から遠景へと画面の奥行きを巧妙に遣った魔法のような映像構成。言い方なんて多分幾らでもある

    映像のマジシャン石浜真史 ― 『ヤマノススメ』 への系譜 - Parad_ism
  • キャラクターの見た風景を視るということ、その心に触れるということ - Parad_ism

    アニメ雑感私たち視聴者は大よそ物語や映像を客観視していることが多いわけですが、時折挟み込まれる主観のアングルやそれに準ずるカット・シーンを目の当たりにすることでその視線は一時飛躍し、それも彼らの見た風景・その視線へと重ねることが可能となるように思います。 またそれこそが俗に言う感情移入という現象でもあるのでしょうし、少なくとも私はそうすることで彼らの心に触れている、触れることが出来ると思い込むことが出来る。「ああ、だから彼 (彼女) はこの瞬間にそう想えたのだろう」 とか、言ってしまえばそんな視線の同化、登場人物たちの心情の読解。あるいは、キャラクターと同じ立ち位置をもって風景を眺めていると錯覚することのできる希少な瞬間の獲得。 *1 それも、その瞳に映り込む風景はどのようにして彼女たちにの心に広がっているのだろうという疑問に対し、ある種応えてくれるかのように描かれるカットの連続。表情のア

    キャラクターの見た風景を視るということ、その心に触れるということ - Parad_ism
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    hidamalar 2014/06/25
    グレンラガン一話。POVのことではないのですね。
  • 『がをられ』 8話のヘンリエッタスタンス - Parad_ism

    アニメ雑感『彼女がフラグをおられたら』8話に衝撃を受けた小話。いや、衝撃を受けたというよりは懐かしい記憶が一瞬にしてフラッシュバックしたとでも言った方が正確だと思うのですが、まぁそれも一言で言ってしまえば凄く 『GUNSLINGER GIRL』 だったなぁという帰結に落ち着くのだと思います。 調べた限りでは何か特筆した繋がりがあるようにも思えないこの両作品ですが、このほぼ同アングルからのP90による連射シーンを観れば必然とそのカットは重なり、もはや 「リスペクトなのでは?」 とまで、つい考えてもしまいたくなるというもの。 それこそ今話の絵コンテ・演出は佐藤光さんでしたが氏の経歴を見てみると、ガンアクションものは 『緋弾のアリア』 3話と 『けんぷファー』 2話の各演出くらいでしたので、ともすればもしくはアニメーターの方が (意識的にかどうか) アドリブであのモーション描かれたのかも...な

    『がをられ』 8話のヘンリエッタスタンス - Parad_ism
  • 『千年女優』へ馳せる想い - Paradism

    先月、以前から勧められていた『千年女優』を初めて観たのですが、その中で色々と思うところがあったので、そのことについて少し書いておこうと思います。それも一言で言ってしまえば “想いとか熱意の尊さ” みたいな、そんな凄くシンプルな話です。 そもそも生きていれば衰えていくのは当たり前のことで、そのことに対してこの作品は凄く自覚的なんだと思います。かつては名を馳せた大女優の、その年老いてしまった姿を作品序盤に描く辺り、むしろ “衰え” という現象そのものに対してこの作品はとても真摯的に向き合っていたはずです。カメラマンの「どんな大女優だって70越えたら大層なご老体」という言葉が持つ現実味のある響きも、むしろその事実を予め享受するための予防線であったのかも知れないですし、それはある種“儚さ”の象徴でもあり“女優だっていつかは女優でなくなる時がくる”ことを明確に暗示していたのだと思います。 けれど、こ

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  • 雪解けの季節、春の到来 『未確認で進行形』 最終話 - Parad_ism

    アニメ雑感, 未確認で進行形決して突出した季節感を内包していたわけではなかった原作 『未確認で進行形』。それこそ小紅の誕生日には雪さえ降ることもなく、初めてその素顔を見せた真白でさえその寒さに備えマフラーを巻くこともなかったわけですが、しかしことTVアニメ版においてはその前提が覆り、ある一つの季節感がそこに付加されます。 その季節こそが 『冬』 であり、またその象徴となって舞い落ちるのは白一色で覆われたたくさんの雪。街一面を覆い尽くす銀世界の風景はそれこそ1話アバンにおいては美しくこの眼にも映り込み、幻想的な劇伴に乗った映像はとても心地の良い心酔感を私に与えてくれました。 けれど、この物語の始まりを 『冬』 としたことにはきっと (雰囲気、またはビジュアル的にのみではない) 何らかの意図がある筈で、むしろそこにこそTVアニメ版 『未確認で進行形』 におけるある種の素晴らしさって詰め込まれて

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  • アニメにおける腋描写の美学 - Parad_ism

    アニメ雑感人それぞれ趣味趣向というものはあるはずで、中でも局部的なフェティシズムに心擽られた経験があるという人は、そう少なくもないのではないでしょうか。それこそ例えれば、指先や踝(くるぶし)、首筋から襟足と多岐に渡るフェチポイント、そうした各所が魅せる輪郭線は人により時に美しく、また艶めかしくも映るもので、そうした女性特有のラインに胸をトキメかせた体験のある男性って結構多いと思うんです。 そして何を隠そう、私は 『腋』 が好きです。大好きと言っても過言ではないくらいに結構アニメ観てる時は腋の辺りを気にして観ています。けれどそうは言ってもただ画面に腋が映っていれば良いというものでも決してなく、そこには私なりの拘りとか美学みたいなものが少なからずあるわけで、それこそ乱雑な腋の魅せ方は余り好みではないですし、その善し悪しを決める境界の自論も簡潔に言ってしまえば以下のツイートに集約されてしまうのだ

    アニメにおける腋描写の美学 - Parad_ism
  • 視線の交差、重なる映像、そして立像 / 『夜桜四重奏 ハナノウタ』 10話 - Parad_ism

    アニメ雑感先日、『夜桜四重奏』 10話を観たんですけど、これが当に素晴らしかったのでそのことについて少しばかり。それもそれぞれの視線の交差感というか、ああ、向き合ってるんだなって感じられる映像の見せ方というか。生きてるって支え合うってこと、そんな当たり前のようなことをとてもノスタルジーに夏の風景に落とし込むその美しさが当に素晴らしかったなぁと。 特に顕著だったのが目のアップショットの多さと、目を(ギリギリで)描かないカットの多さでした。彼女は今なにを感じ、なにを想うのだろうという、そんな感情の想像。その発露へと導いてくれる “視線” の描かれ方が凄く丁寧でいて、その映像の運び方が当に綺麗で。 ヒメを見つめるアオの視線。遠くを見つめるアオの視線。そして友人を睨むアオの視線と他の人物たちからアオに対し注がれる幾つもの視線。ことAパートにおいては決してその場所から舞台を移すことのなかったあ

    視線の交差、重なる映像、そして立像 / 『夜桜四重奏 ハナノウタ』 10話 - Parad_ism
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    hidamalar 2013/12/23
  • テレビアニメED10選 2013 - Paradism

    前回の記事に引き続き、今回はED10選となります。放映季順、他順不同、他意はなし。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準はOPの方と同じく 「とにかく好きなED」 です。 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる / W:Wonder tale 演出・絵コンテ/出合小都美の素晴らしさ。淡い色彩とファンシーな画面が地続きとなって映されるそれはもう観ているだけで胸がときめく凄く素敵な映像の連なりだなと。“夢” というコンセプトに “修羅場”という名の次のステージ。最終回EDに繋がる4人の寝顔含め、作品を一度通して観た後だと多くのことを連想させられてしまう力強さもこのEDの強みですね。田村ゆかりさんの楽曲と歌声も相変わらず素晴らしく、映像との相乗効果ほんと半端ないです。 僕は友達が少ないNEXT / 僕らの翼 幸せと不幸が混在するストリングムービー。多くのモチーフが二人を否定していく中であって

    テレビアニメED10選 2013 - Paradism
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    hidamalar 2013/12/02
    balance unbalanceがギリでもれたかな。らしいチョイスだし、いいチョイスです
  • テレビアニメOP10選 2013 - Paradism

    もはや恒例になりつつありますが、今年もこの企画に参加させて頂きます。去年に比べて一週間程はやい選出になりますが、まぁこのぐらいの時期ならということで。例によって放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準も去年と同様 「とにかく好きなOP」 です。 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる / Girlish Lover 2013年度序盤。冬期放送枠にして眩いほどの輝きを放った素晴らしいOP。乙女の会みんな仲良すぎでしょってくらいに観ていて凄く楽しい上に、とても癖になる楽曲とそこに映される映像の連弾、そしてその中で栄える彼女たちの可愛らしさに心底グッとくるなと。足先から指先までとても綺麗に、また可愛く映り込んでいる辺り、自らの自らによる自らのための演出ほんと極まってるなぁとか思います。真涼さんの変なポーズは不変のオアシス。 ビビッドレッド・オペレーション /

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    hidamalar 2013/11/30
  • 美樹さやか、或いは佐倉杏子における幸福論 / 劇場版 『魔法少女まどか★マギカ』 - Parad_ism

    魔法少女まどか★マギカ, アニメ映画, アニメ雑感「一人ぼっちは寂しいもんな...」 そんな切実な想いが託された言葉をもって、美樹さやかと佐倉杏子、その二人の物語に一旦の幕を降ろしたTVアニメ版 『魔法少女まどか★マギカ』。もはや魔女化した彼女には言葉さえ届かないそんな状況であったとして、それでもなお伝えたい気持ちがあったからとオクタヴィアに向けられた矛先は、やはり杏子がさやかに抱いていた想い全ての具現体でもあったのだと思います。 一人でいることの寂しさや、自分の願いが不幸と地続きになっていたことの絶望感。それらを知る彼女だからこそ、きっとさやかに対しては自分自身をもそこに重ねて見ていたのかも知れません。でも、間違いなくそれだけでは決してないはずで、ただ純粋に杏子はさやかと親しく接してみたかったのでしょうし、あんな境遇になってさえ心から彼女はさやかの行く末を案じていたのだとも思うのです。

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    hidamalar 2013/11/27
    祈りも願いも等しく呪いに成り果てる物語。自分は報われなくとも彼女の祈りは美しかった、で満足したから違いが出るな。
  • 『あいうら』 の変化と再演 - Parad_ism

    アニメ雑感アニメにおける再演。時として物語の普遍性や変化を描き、またその中で生き続けた登場人物たちの成長をも切り取ってくれるそれは、まさにそれまでに存在した全十数話の物語を圧縮した映像の重なりであり、だからこそそうして比較された序盤と終盤における1カット、1シーンの一つ一つからはそれこそ言葉に出来ないような感慨が溢れ出るのではないかと思います。 「ああ、彼女たちは当に成長した」 「もうきっと、ここから先は大丈夫」 「だから彼女たちはこれまでも、これからも。そうして足並を揃えた生きていくのだろう」 そんな、まるで胸に突き刺さるような想いをある種の感動共にもたらしてくれる“繰り返し”の美しさ。 それはとても雄弁でいて寡黙な、まさしく映像の妙味とも言うべき心地の良い魅せ方でもあるのでしょう。 特に 『あいうら』 における12話(最終回)から1話へ向けての再演は何度観ても素晴らしいものがありまし

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    hidamalar 2013/09/02
  • 『ジブリールシリーズ』から『猫物語』への系譜 - Paradism

    昨晩放送された『物語(白)』のOPが素晴らしかったわけですが、そのディレクターを担当していたのがなんとURAさん。美少女ゲーム・エロゲをそれなりに嗜んでいる方なら多くの人がその手によって手掛けられたデモムービーを視聴したことがあるのではないかと思いますが、その手腕はTVアニメという映像表現の場においてもいかんなく発揮されていたように感じます。 www.youtube.com 有名なのは数あるパロディ動画を生み出した『いただきじゃんがりあんR』のOPが顕著ですが、特に『物語シリーズ』でキャラクターデザインをしている渡辺明夫さんとのタッグでは『魔界天使ジブリール4』『戦国天使ジブリール』などのジブリールシリーズの他、同社作品のグリザイアシリーズのOPなども同様に手掛けており、どの映像も素晴らしいクオリティとなっています。その中でも個人的に一番気に入っているのがこの『魔界天使ジブリール4』のO

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    hidamalar 2013/08/08
  • 目線の共有と、その向こう側に映り込む風景を見る / 『ゆゆ式』 1話 - Parad_ism

    アニメ雑感, ゆゆ式先日放送されたアニメ『ゆゆ式』。それはまさしく私が想い描いたあの『ゆゆ式』を確かにその場所に描き出してくれていたわけですが、しかしそこに動きや声、表情や視点などといった映像としての面白さが付加されると、今までそれとなくしか得られていなかったこの作品への理解が、大きな確信に変わったと言いますか。もちろん、それは “漫画『ゆゆ式』としての理解” からは遠く離れているのかも知れませんが、自分の中に存在する『ゆゆ式』という物語そのものについてはこの1話がもう答えになっていると言っても過言ではないくらいに、それは強い感覚で。 特にアバンにおけるその感覚は顕著で、「唯→空→ゆずこ→空→縁」とパンしていくカメラワークと、そこからその空に重ねて描かれる立ち並ぶ三人といったOP冒頭の構図はまさしく、“三人による世界の共有感”をそれだけで十二分に描き切っていたのではないかと思います。それぞ

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    hidamalar 2013/04/13
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