「今(鈴木先生の)高校に通っている生徒たちには、飢餓感がない」 開口一番、鈴木先生はそう口にしました。 「昔を振り返ると、私が勤める高校は地域の”底辺校”と揶揄されて、生徒や親自身も、将来を悲観し、焦っていました。 『このままだったら、自分(生徒)はちゃらんぽらんな人生を送ることになるかもしれない。食いっぱぐれてしまうかもしれない。そうならないように、頑張らなければならない』と。 つまり、何かしらの努力をする、気力がある生徒たちが多かったのです。そういう生徒たちに対する指導は、まだやりやすかったのですが、最近ではまったく状況が異なります。 『自分は、このままでいい』と考えてしまっていて、何かをやろうとする意欲が低下しているのです」 「今と昔で、生徒の心持ちは大きく変わってしまった」と、鈴木先生は嘆きます。 「学校の雰囲気も含めて、全然(質が)違っていますね。昔は、ヤンキーや不良と言われるよ