■拓大教授が指摘 日本固有の領土である尖閣諸島に絡み、中国・清の乾隆帝(1711〜99年)の勅命(ちょくめい)で編纂(へんさん)された地理書『大清一統志(だいしんいっとうし)』に、台湾(府)の北東端が「鶏籠城(現在の基隆市)」と記されていることが、拓殖大学の下條正男教授(日本史)の調べで分かった。中国は尖閣諸島を「昔から中国の領土で、台湾の付属島嶼(とうしょ)であった」として領有権を主張しているが、尖閣諸島は基隆市から、約300キロも離れており、清代から「台湾の一部でない」と認識されていたことを示す資料として注目される。(喜多由浩) ◇ 『大清一統志』は清代に3度、編纂され、1842年に完成した第三次編は全560巻に及ぶ。 下條教授によると、台湾(府)に関する記述は335巻にあり、同書はその北東端について「北至鶏籠城(北、鶏籠城に至る)」と記載。同本に収