これまで、携帯小説というものにいくつか目を通してみていたが、正直な感想を述べれば、「これは”小説もどき”であるな」といったところであった。 それ以上の何か、を求めようとするならば、若い女性が自らの体験(性体験)を元に、男女の愛を赤裸々に語るというコンテンツは、それこそ古の「源氏物語」から連綿と続く文化として認められるし、近年でいえばそれは内田春菊や、よしもとばなな、斎藤綾子、岡崎京子らといった作家たちが紡いできたものの延長線である。そういう認識だけを持っていればそれでよし、というのが俺の出した結論であった。 (俺が不思議に思うのは、上にあげた内田春菊らを「持ち上げた」連中が、携帯小説に対しては不感症的態度を示していることだ。俺にとっては、岡崎京子の”リバーズ・エッジ”と最近ヒットした携帯小説の”恋空”を区別して評価するだけの明確な理由は無い) 「あたし彼女」というコンテンツも、その内容だけ