図書館法の一部改正に伴う省令科目の改訂の際に,一度は消えかけた「図書及び図書館史」が辛うじて残されたことは喜ばしいことです。司書を目指す人が情報の歴史を学ばないなんて考えられないからねぇ、 我が国初の「目録」として必ずタイトルが挙げられる「日本國見在書目録」(889~896 藤原佐世撰)を実際に見たことのある人はそれほど多くは無いのではないかと思います。日本古典籍総合目録」で調べると、国会図書館、東京国立博物館、国立公文書館などいくつかの図書館に写本が現存していることがわかります。正直なところボクも実物を見たことがありませんでした。「日本國見在書目録」は貞観17(877)年正月28日に冷然院の火事で多くの資料が灰燼に帰したことを憂い、朝廷が藤原佐世に、当時我が国に現存した資料の所蔵目録の編纂を命じたことから成立した目録ということです。このことについては、狩野直喜「日本國見在書目録に就いて」