【北米総局】米紙ウォールストリート・ジャーナルなどによると、アサンジ氏は1971年、オーストラリア東部クイーンズランド州生まれ。1歳の時に母親は地方を巡る劇団監督と結婚し、14歳までに37回の引っ越しを経験した。 両親は徹底した反権力主義者で、「権威に対する不健全な敬意を染み込ませる」との信念から学校教育を否定し家で通信教育などを通じて学ばせた。16歳だった87年にコンピューターを買ってもらうと自らモデムを接続し、コンピューターネットワークを使いこなしたという。その後暗号を解読してさまざまなサイトに侵入することに興味を覚え、数人のハッカー仲間と米国防総省などへの侵入を繰り返した。 メルボルンの大学で数学や物理を学んだ。一緒に働いた経験を持つ研究者は「非常に有能で、倫理や公正、政府が何をすべきかに強い関心があった」と振り返っている。 18歳で結婚したが、20歳の時に、カナダの通信会社のシステ
【ベルリン小谷守彦】内部告発サイト「ウィキリークス」で公表された駐ベルリン米国大使の本国への報告で、独政界中枢の情報源だった人物が、ウェスターウェレ副首相兼外相の秘書事務所長だったことが判明。スパイまがいの情報漏えいとして、連立与党の威信を揺るがす騒動に発展している。 与党自由民主党の内部調査で発覚した。問題の人物、ヘルムート・メッツナー氏(41)は2009年10月の与党連立発足にともなう与党間協議でのメルケル首相の発言などを詳細に通報。フィリップ・マーフィー米大使はその情報をクリントン米国務長官に複数の秘密電文で報告し、情報源について名前は伏せながらも、連立交渉の記録係で自民党内の「若く、向上心のある政党信奉者」だと説明していた。 秘密電文は、ドイツ国内に配備された米戦術核の扱いについても報告。ウェスターウェレ氏が核全廃を強く主張したもののショイブレ財務相が「対イランで抑止力となっている
「閣僚名簿で汚職疑惑のないのは1人だけ」「閣僚の信任投票で議員が賄賂を要求」。内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が入手した米外交公電はアフガニスタンで広がる数々の汚職疑惑をあぶり出した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などが3日までに報じた。 在アフガン米大使館はことし1月の公電で、予想される新内閣のメンバーを紹介。ラヒミ農相について「賄賂の疑惑のない唯一の大臣とみられる」と評した。 一方、閣僚は議会の腐敗を指摘。保健相を務めたファテミ氏は米外交官に「議員が1人1000ドル(約8万4000円)で信任投票の票を取りまとめると提案してきた」と述べた。 別の公電によると、昨年10月、当時のマスード第1副大統領がアラブ首長国連邦に入国した際、現金5200万ドルを携帯していたため、当局から取り調べを受けた。現金の出どころは不明のままという。 汚職疑惑は政界にとどまらない。昨年11月の公電は、
【ロンドン笠原敏彦】内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジ氏の処遇が関心を集めている。現在、英南部に「潜行」しているアサンジ氏は、スウェーデンでの性犯罪容疑で国際指名手配されており、英警察当局が手配に応じて同氏を拘束するかどうかが焦点だ。 ウィキリークスによる米外交公電の暴露が続く中、米政府などがアサンジ氏への法的措置を検討しているが、同氏にとって当面の「危機」は性犯罪での国際指名手配だ。英BBC放送などによると、スウェーデン当局は3日、11月18日に出した強姦(ごうかん)容疑などの逮捕状に不備があり、英当局から照会を受けて逮捕状を出し直した。 不明瞭なのは「性犯罪」容疑の中身。被害を訴えたのはスウェーデン女性2人で、アサンジ氏が8月の同国滞在中に知り合った。同氏は強姦容疑を否定して「同意の上」での関係だったと主張。スウェーデン当局が事情聴取を求めている。この件をめ
アメリカの秘密文書をインターネット上に公開した「WikiLeaks(ウィキリークス)」が問題となっている。ウィキリークスとは、どんなサイトで誰が作っているのだろうか?(テクニカルライター・三上洋) 組織に対抗するための内部告発サイト アメリカの外交公電25万通をインターネット上に公開したことで国際的な問題に発展しているウィキリークス(WikiLeaks)は、一言でまとめれば「有志による内部情報告発サイト」だ。右の画像がウィキリークスのサイトで、見出しにもある通り、25万通に及ぶアメリカの外交公電や、イラク、アフガニスタンでの戦争の内部記録などを入手し、そのまま公開している。 今回大きな国際問題に発展しているのは、11月28日にウィキリークスがアメリカの外交公電を掲載し、各国の報道機関にも同時公開されたためだ。ウィキリークスが入手した25万通のうち、極秘(Secret)扱いになっているもの
【ウィーン=末続哲也】国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長が、昨年12月の就任に先立ち、重要決定の際には常に米国に同調する意向を示していたとする米外交公電について、天野氏は2日の記者会見で「間違ったことはしていない」などと反論、「私は核拡散に厳しく対処しており、事実に基づいて行動している」と強調した。 公電は内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した。天野氏は一方で、実際に米側に同調の意向を伝えたかどうかについては明言しなかった。
【上海支局】北朝鮮が沿岸に海中核施設を極秘開発したとの情報を、中国の専門家が一昨年9月、米政府に伝えていたことが、内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した米外交公電で明らかになった。 北朝鮮は2008年6月、核開発計画の申告書を核問題をめぐる6か国協議の議長国・中国に提出。寧辺(ヨンビョン)にある黒鉛炉の冷却塔を爆破し、非核化に向けて前向きな姿勢を示していた。だが、公開された9月26日付の駐上海米総領事の公電によると、米高官と意見交換した上海の北朝鮮専門家は申告が「不完全」と指摘。「北朝鮮沿岸に極秘の海中核施設があるとの重大情報がある」とした。 ただ、3日付の朝鮮日報(電子版)は、韓国の外交当局者が「本当なら6か国協議参加国が秘密にしているはずがない」と、公電の内容を否定した、と伝えた。
内部告発サイト「ウィキリークス」がインターネット上で公開している米政府の外交公電の存在が、国内にも波紋を広げている。 外務省では担当者が連日、同サイト上の大量の資料をくまなくチェックしているが、同サイトが入手したとされる約25万通の公電のうち公開されたのはまだ300通程度で、同省では「これから何が出てくるのか」と戦々恐々としている。一方、捜査情報や防衛機密などを抱える省庁では、同サイトの注目が高まることで「新たな流出を招く恐れがある」と警戒を強めている。 「今後、どんな公電が出てくるのか見当も付かない」。外務省幹部は困惑した表情で語る。 米国務省は、同サイトが11月28日、公電の公開を始めるのに先立ち、東京の米大使館を通じて日本側にも事実関係を説明した。しかし、米側も公開される公電の全体像を把握しておらず、今後の対応も決まっていないのが実情だ。 外務省は「日本が提供した情報が流出したわけで
アパラチコラで過ごす優雅な時間 メキシコ湾沿いの入り江に面した米フロリダ州の小さな町アパラチコラ。こじんまりした海辺のホテルに宿泊し、バーで新鮮なシーフードを味わえるほか、地ビールの醸造所もある。綿花や漁業で栄えたこの町には、グリークリバイバル(ギリシャ建築への回帰)様式の優雅な住宅が散見される。数キロの沖合に浮かぶセントジョージ島には白い砂浜が広がる。
ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジ氏は、オーストラリア出身のネット起業家で、ハッカーとしての経歴も持つ。 7月にウィキリークスがアフガニスタン戦争に関する米政府内部文書を公開して以降は、内部告発者保護に関する法制が充実したスウェーデンに居所を移したとされる。だが、同国で性犯罪容疑が浮上して逮捕状が出され、国際刑事警察機構(ICPO)の指名手配も受けて、現在は各国を転々としている模様だ。 欧米メディアでは、アサンジ氏が髪を染めるなどして変装し、支援者のクレジットカードを使って逃亡生活を送っているとの推測が流れている。 ロイター通信によると、南米エクアドル政府は11月30日、アサンジ氏を、「南米諸国情報を聞くため」として同国に招聘する方針を示したが、氏との連絡は取れていないという。(ワシントン 山口香子)
【ワシントン=弟子丸幸子】内部告発サイト「ウィキリークス」に米政府の機密公電などとされる文書が大量に流出した問題で、米国務省は情報入手経路とみられる国防総省の専用ネットワークから外交公電のデータベースを遮断した。国務省高官が30日、記者団に明らかにした。2001年の米同時テロを受けて他省庁との情報共有を推進してきたが、再発防止には物理的な遮断が必要と判断した。外交公電のデータベースから遮断した
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