学生の時ホームステイをしていた家に、ある日、期待の若手脳外科医(だけど、当時は留学中)がゲストとしてやってきた。学生が頻繁に出入りする家だったが、そんなエリートなんて来たことがなかったから、その日は何となく朝から家族全体が緊張気味……。 その家のリビングは2階にあり、ヨチヨチ歩きの子供が階段から転げ落ちないように、階段の降り口に柵を設けていた。通る時は知恵の輪のようなカギを外して開閉するのだが、「ちょっと賢い子なら開けちゃうよねぇ」と心配するくらいのものだった。で、その日の夜、車を駐車して1人遅れて入ってきた脳外科の先生。子供用の柵を発見して開けようとするが、開かない。テーブルを囲む全員の横目には、柵の前で悪戦苦闘する先生の姿が入っていたのだが、声をかけていいものやら……。そんな状態が10分ほど続いて、ついに「スミマセン、開けられないんですけど」という敗北宣言。ヒトの頭を開けられるのに、幼