概要 研究の目的 世界の労働法学界で話題になった「職場の分断化現象(Fissured Workplace)」について、これを提起したアメリカのDavid Weil教授の議論を紹介するとともに、この現象との関係で、日本国内でどのような問題があり、これまでにどのような法的対応がなされ、そしてどのような課題が残されているかを検討する。 研究の方法 本研究は国際会議への参加による情報収集も含め、先行研究の取りまとめを主な研究方法とする。 主な事実発見 職場の分断化現象は企業の「中核的競争力(core competency)」への追求から始まり、情報通信や労働者の管理・監督方法の革新によって現実化していった。 アメリカでは、労務給付を必要とする大企業に相応の使用者責任を負わせるべきと主張する学説がある。 日本においては、従前から職場の分断化現象が利用されてきたが、近年におけるその利用拡大と新たな利用