東日本震災の復興に向けて6万戸の仮設住宅建設が急務になったことを受け、建設資材の不足問題が浮上している。とりわけ、合板は国内の約3割弱のシェアを持っていた東北沿岸の大型工場が被災したこともあり、供給力不足を懸念した政府は緊急輸入にも言及し始めた。ただ、合板業界は品不足には否定的だ。両者の行き違いはどうして起きたのか。 「いったい、どうして輸入拡大なんていう話になるのか。われわれは被災分を差し引いても、国産合板は十分なボリュームがあるはずなのに…」 東北沿岸で津波被害にあったある合板メーカー幹部は、5日に大畠章宏国土交通相が示した合板などの輸入拡大方針に疑問を呈し、「自分たちが迷惑をかけているようで悔しい」とつぶやいた。 発端は、5日に行われた大畠国交相と住宅メーカーの業界団体、住宅生産団体連合会(住団連)の幹部との会談。大畠氏は「仮設住宅の建設で合板などがだいぶ不足している」といい、業界に