29日に亡くなった三遊亭円楽さんは、テレビの落語ブームの先頭を走ってきた。「星の王子様」「湯上がりの男」などのキャッチフレーズで人気を博した。「笑点」では1983年から2005年まで司会を務めた。出演者を引き立てながら要所を締め、テレビのスピード感にも対応した機転を見せた。 師匠・円生譲りの端正な語り口の、古典落語の第一人者。晩年は「芝浜」「紺屋高尾」「中村仲蔵」など、教訓に満ちた演目を好んだ。 引き際も完璧(かんぺき)主義を貫く円楽さんらしかった。05年に脳梗塞(こうそく)で入院して06年に「笑点」を勇退。07年2月25日、国立演芸場の「国立名人会」で大ネタ「芝浜」を演じたが、「出来に満足できない」とその場で引退を表明した。 実は円楽さんはその前年10月、大阪での小さな落語会に出た。進退をかける国立名人会の準備だった。演じた「紺屋高尾」はいい出来と思えたが、本人は「納得いかない」と