インドネシアには、「ほぼ富裕層しか飲まない」と言われるユニークなコーヒーがある。コピ・ルアク(インドネシア語で Kopi Luwak)と呼ばれるそれは、なんとジャコウネコの糞から採取される未消化のコーヒー豆のことだ。 ジャコウネコの体内で12時間自然発酵され、さまざまな酵素と独特の香りがしみ込んだ豆からは、言葉では表しがたいまろやかさと深いコクが生まれる。発酵、酵素、コーヒーと聞けば、「なにやら美容にも健康にもよさそう」と日本女性が飛びつきそうである。筆者もジャカルタの喫茶店で普通のコーヒーと飲み比べをしてみたが、味の違いは歴然だった。 野生と飼育で値が異なる モールの中にあるコピ・ルアクのチェーン店では、1杯800~1000円ほどで飲めるが、屋台のコーヒーが50円前後で飲めるこの国では高い一杯だ。一般人の口には確かになかなか届かないだろう。ジャコウネコが鎮座した金色に輝くカップ&ソーサー