玉水物語 2巻 | 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ ※この記事では、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの画像を、適宜改変して使用しています。 【原文】 がら過ぐる朝の心にハ思ハざらなん。真《まこと》の親ならねバと受け給はる[承る]こそ侘しけれ」 など言ゝて、返事をしけれバ、是を見て、 「実《げ》に/\嘸《さぞ》あらん理《ことハり》ぞかし」 とて打ち泣きぬ。 去る程に、三年《みとせ》と申す神無月に、姫君の親しき人/\数多《あまた》寄り集まり給ひて、 「紅葉合ハせ有るべし」 と定めさせ給ふ。 明日にも成りぬれば、色美しく、葉《よう》数多《あまた》あらん紅葉を尋ね侍るに、此の玉水、夜更けて打ち紛れ出で、元の姿に成る。 鳥羽殿《とバどの》の南表の塚に、兄弟《あにおとゝ》など有る所へ行きたりけれバ、見つけて斜《なの》めならず悦《よろこ》び、 「如何《いか》にや、何処《いづく》より来たれるぞ。 失
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