人工知能(AI)は、喧伝されているほどの期待には応えられないとMIT経済学教授のダロン・アセモグルは主張する。だから、AIに闇雲に投資するのはリスキーだと──。AIをめぐる物語は今後どう展開していくのか。アセモグルが3通りの筋書きを提示する。 人工知能には何の反感も持っていない──ダロン・アセモグルは、真っ先にそのことをはっきりさせようとした。AIのポテンシャルを理解するアセモグルは、インタビューに入ってから数秒でこう断言した。 「私はAI悲観論者ではありません」 では、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の有名なアセモグル教授を、この先高まる経済・金融の危機を見据える予言者然とさせているものは何なのか。 それは、AI技術をめぐる執拗な誇大宣伝があり、その煽りをうけて投資ブームが生まれ、テック株式市場が激しく上昇していることにある。 AIはたしかに有望かもしれないが、誇大宣伝どおりになる