再び新興ネット企業に投資家が殺到し、企業の評価額が異常なレベルまで高騰している。早くもバブル崩壊に向けた兆候も インターネット関連の新興企業をめぐる90年代後半の「ドットコム・バブル」と、その後のバブル大崩壊を覚えているだろうか。あの惨事が繰り返されるかもしれない──。 こう考えているのは、著名なベンチャーキャピタリストのフレッド・ウィルソン。ニューヨークでユニオン・スクエア・ベンチャーズを運営するウィルソンは、既に暗雲が漂いつつあると懸念している。最近のブログでも「99年当時を彷彿させる今の状態には恐怖を覚える」と書いている。 ウィルソンは96年、パートナーと共同でベンチャーファンドをニューヨークで設立。当時ブームだったネット企業への投資を手掛けた。しかしバブルが崩壊すると、投資対象だった多くの企業が破綻。ウィルソンのベンチャーファンドは開店休業に近い状況に追い込まれた。 この挫折にもめ