滋賀県近江八幡市伝統の「八幡靴」を手がける市内の企業が、注文者の足型から作るフルオーダーシューズを少しでも安く提供し、良さを知ってもらおうと、足型製作に3Dプリンターを使った靴づくりに取り組んでいる。 八幡靴は手縫いの革靴で、同市を拠点に活動した米国出身の建築家、ヴォーリズも愛用した。品質の高さで知られ、1950年ごろには約60の業者が製造していたが、合成ゴムや人工皮革、大量生産品の普及により次第に減少。伝統的な技術で八幡靴をつくるのは1軒のみになった。 八幡靴の製造・販売を手がける「リバーフィールド」(同市鷹飼町)は、ベテラン職人3人と若手3人が伝統の技術を守り、インターネットや宅配便で足型や試作品をやりとりしながら、遠隔地の注文にも対応している。 同社は京都市のベンチャー企業と協力し、レーザースキャナーで採寸した注文者の足の3次元データから3Dプリンターで型を作る仕組みを開発した