製造業のデジタル化をめぐる動きが最近、活発である。理由は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉がバズワード化してきたからかもしれないし、あるいは経産省が「2025年の崖」というレポート を発表して、日本企業のデジタル化の遅れに警鐘を鳴らしたことも、後押ししているかもしれない。とにかく企業の経営層が、『デジタル』なる言葉を、普通に口にする世の中になったようだ。世の中全体は不景気だが、そして不景気になるとIT予算が真っ先に切られるのが常だったが、状況が少しは変わったらしい。 まあ、デジタル化の「動きが活発」といっても、今のところはまだ、議論が活発なだけで、実装はまだまだかもしれない。ともあれ、こうした状況は、IT業界にとっては慶事だろう。また、コンサル業界にとっても嬉しいに違いない。しかし製造業各社がこぞって、デジタル化のバスに乗り遅れまいと走り出すと、今度はもう一つの崖という