インフルエンザなどの感染症の防止を呼びかけるポスターやパンフレットにはマスク、うがいとともに手洗いの必要性が記述されている。だが、手洗い用のせっけんを常備していない施設も目立つ。不特定多数が利用する駅のトイレもそのひとつだ。現状を調べてみた。(特集部 津川綾子) 「駅のトイレの手洗い場にせっけんがない。この季節は特に感染症も気になるし、水で洗っただけでは不安」。感染症対策に敏感な横浜市在住の主婦(38)は困惑して話す。厚生労働省の新型インフルエンザ対策ガイドラインでも個人・家庭での対策に「うがい・手洗い・マスクの励行」とあり、対策の具体策を示す自治体のホームページでは「手洗いは、よくせっけんを泡立てて」(東京都千代田区の新型インフルエンザQ&A)など、せっけんによる手洗いの推奨が目立つ。 鉄道各社に問い合わせると、東急は「7割のトイレにせっけんを設置し、100%の設置を目指している」との回