前編はこちら こうした矛盾は、すべての企業が抱えるジレンマと言えるだろう。そこで現在、欧米企業を中心に積極的に採用されているのが、「社会貢献型マーケティング」と呼ばれる手法だ。 「昨年、フランスのダノン社が行った『1リットル for 10リットル』キャンペーンは、まさにその成功例のひとつ。これは、消費者が通常より高額に設定された同社のミネラルウォーター『ボルヴィック』を購入することで、売り上げの一部を途上国に寄付し、井戸を掘るというもの。日本国内では、キャンペーン期間中の7~8月の売り上げが前年同期比34%増という結果になりましたが、数字だけではなく、ブランド価値も大きく高めました」(前出の黒川氏) 同商品のホームページによると、この寄付によりアフリカのマリ共和国に7億1224万リットルの清潔で安全な水がもたらされたという。この『1ℓ for 10ℓ』は、万事がうまくいったケースだが、当然