ニューヨークから来た中古車には気をつけろ──。 昨年11月以降、米国の中古車販売業者の間ではこんな言葉がささやかれている。巨大ハリケーン「サンディ」が東海岸を直撃して以降のことだ。 日本でも広く報じられたように、サンディはニューヨーク州やその隣のニュージャージー州などに大きな被害をもたらした。高潮で各地が水に浸かり、多数の自動車が水没している光景を記憶している読者も少なくないだろう。トラックまで含めると約25万台がスクラップ送りになったと言われる。 米国では自動車が生活の必需品である。ハリケーンの被害が出た直後の11月の新車販売は、年率換算では1554万台と4年10カ月ぶりの高水準となった。これにはサンディ特需も影響したとされる。中古車販売も前年同月比3.8%プラスとなった。 追い風を受けた中古車業界だが、最近はあることを警戒している。「ハリケーンで水に浸かった自動車が中古車市場に流れてく